
スクワットは「膝から動くか、股関節から動くか」で変わる
目次
こんにちは! yell鍼灸治療院の斉藤です!
今回は、スクワットの動作の起こし方について書いていきたいと思います!
前回はバーを担ぐ位置の話について書きました。
実は、バーの位置以外にも、鍛えられる筋肉を大きく左右する要素があります。
それが、動き出しをどこから始めるかです。
同じスタンス、同じバー位置、同じ深さで沈んでも、動きの起こし方ひとつで、翌日に張る場所は大きく変わります。
「膝を先に曲げる人」と「お尻を先に引く人」
動き出しには2つのタイプがあります。
- 膝を先に曲げるタイプ:しゃがみ始めた瞬間、まず膝が前に出る
- お尻を先に引くタイプ:しゃがみ始めた瞬間、まずお尻が後ろに引ける
見た目はほんの一瞬の違いですが、この最初の一動作で、その後の身体の使い方が決まります。
膝から先に動くと、膝が前に出て上半身は立ったまま沈みます。
お尻から先に動くと、お尻が後ろに引けて上半身は前に倒れながら沈みます。
「どちらが正しい」ではなく、それぞれ違う筋肉が主役になる、というのが今日の話です。

日本の研究で見えた「主役の入れ替わり」
この2つのタイプで、鍛えられる筋肉がどう変わるのかを丁寧に調べた日本の研究があります。
男性アスリート10名を対象に、スクワットを次の3種類に分けて筋活動と関節のトルクを比べたものです。
- 普通のスクワット:特に意識せず自然にしゃがむ
- 膝主導型:股関節の位置を固定して、膝を前に押すようにしゃがむ
- 股関節主導型:膝の位置を固定して、お尻を後ろに引くようにしゃがむ
同じ「スクワット」でも、動きの起こし方をあえて分けて比べた形です。
膝主導型:太もも前が主役になる
膝を前に押していく膝主導型では、太もも前の筋肉が主役になります。
具体的には、大腿直筋と外側広筋という、膝を伸ばす代表的な筋肉が、有意に高く活動していました。
膝関節を伸ばす方向に働くトルクも、膝主導型で大きくなっていました。
太もも前をしっかり鍛えたい方、ジャンプ力や踏ん張る力を高めたい方には、この動きが向きます。
股関節主導型:お尻・もも裏・背中側が主役になる
一方、お尻を後ろに引く股関節主導型では、身体の後ろ側の筋肉が主役になります。
具体的には、大殿筋、大腿二頭筋、そして背中の脊柱起立筋が、有意に高く活動していました。
股関節を伸ばす方向に働くトルクも、股関節主導型で大きくなっていました。
お尻を鍛えたい方、走る動きや腰まわりの安定を高めたい方は、この動きが向きます。
私自身、トライアスロンを続けてきて、お尻・もも裏・背中の後ろ側の力は、地面を蹴る動きに直結する大切な力だと実感してきました。

自分に合うのはどっち?
では、自分はどちらを選べばよいのでしょうか。
目的別に整理してみます。
- 太もも前を鍛えたい/踏ん張る力を強くしたい → 膝主導型
- お尻・もも裏を鍛えたい/走る動きを支えたい → 股関節主導型
- 腰の反り腰が気になる/背中の張りを整えたい → 股関節主導型
面白いのは、多くの方は「意識せずに立ったまま膝から動いてしまう」傾向があることです。
デスクワークが長い方や、太もも前が張りやすい方は、無意識に膝主導型になっていることが多い印象です。
その結果、「お尻を鍛えたいのに太もも前ばかり張る」という状態になります。
自分がどちらのタイプかを見分ける、簡単なセルフチェックがあります。
- 動画を横から撮って、しゃがみ始めの最初の1秒を見る
- そこで膝が先に前に出ていたら膝主導型
- お尻が先に後ろへ引けていたら股関節主導型
思い当たる方は、しゃがみ始めにお尻を先に椅子へ座らせるイメージを持つと、股関節主導型に切り替えやすくなります!
逆に、いつもお尻から動いてしまう方が太もも前も鍛えたいときは、膝を軽く前に押し出すイメージを先に置くと、膝主導型を作りやすくなります。
施術現場から見た「動きの起こし方」
治療院で患者様のスクワットを一緒に確認していると、動きの起こし方の違いは、翌日の身体の張り方に素直に出ます。
「膝の前が張って歩きにくい」という方の多くは、膝主導型が強めに出ています。
「腰が重だるい」という方は、股関節主導型でも上半身が前に倒れすぎているケースが多い印象です。
「お尻を鍛えたいのに、いつまでも太もも前ばかり張る」
「股関節主導のつもりが、なぜか腰が張ってしまう」
こういう声を、施術中の患者様からよくお聞きします。
どちらのタイプでも、痛みや違和感が続くのは身体からの合図です。
ご自身の目的と身体の状態に合った動きの起こし方を見つけていくと、同じ重さでも翌日の疲れ方が変わってきます。
もし、
「お尻を鍛えたいのに毎回太もも前だけ張る」
「腰が張って重い日が続く」
こうしたサインが続くようであれば、動きの起こし方と身体の状態の両面から一緒に見直していけると安心ですね!
まとめ
ここまで読んでくださってありがとうございます!
まとめ
- スクワットは膝から動くか、股関節から動くかで主役の筋肉が入れ替わる
- 膝主導型は太もも前(大腿直筋・外側広筋)が主役
- 股関節主導型はお尻・もも裏・背中側(大殿筋・大腿二頭筋・脊柱起立筋)が主役
- 目的と身体の状態に合わせて、動きの起こし方を選ぶのがコツ
バーの位置、フォームの5因子に加えて、動きの起こし方という視点を持つと、スクワットは狙った場所にもっと自分の身体に合わせて働きかけられます。
一緒に、自分の目的に合ったスクワットを見つけていきましょう!
yell鍼灸治療院は、あなたの健康と笑顔とハッピーを超応援します!
参考文献
- 真鍋芳明, 横澤俊治, 尾縣貢. 動作形態の異なるスクワットが股関節と膝関節まわりの筋の活動および関節トルクに与える影響. 体力科学. 2004;53:321-336.





