
野球肘|肘の内側と外側では、まったく違う話
目次
こんにちは! yell鍼灸治療院の斉藤です!
今回は【野球肘】について書いていきたいと思います!
投げたあとにお子さんが肘を押さえて、痛いと言い出した、、
そんなお子さんを見守っている親御さんの不安が少しでも軽くなれば嬉しいです!
野球肘は、投げすぎで起きる肘の障害
野球肘は、成長期にボールを投げすぎることで生じる肘の障害をまとめた呼び名です。
出方は、投球時や投球後に肘が痛くなること。
肘の伸びや曲がりが悪くなり、急に動かせなくなることもあるとされています。
原因もはっきりしています。
繰り返しボールを投げることで、肘への負担が過剰になること。
ひとつの動作を、育ちきっていない身体で繰り返すところで起きます。
内側・外側・後方。傷むところが3つ
同じ「野球肘」という呼び名でも、肘のどこが傷んでいるかは3通りあります。
内側。
外側。
そして後方。
この3つは、傷んでいるものが違います。
後方でも骨と軟骨が傷みますが、内側と外側はとくに対照的です。
内側は、靱帯・腱・軟骨
肘の内側で傷むのは、靱帯・腱・軟骨です。
投げる時、肘の内側は引き伸ばされる側になります。
その引っぱりを、靱帯と腱が受け止め続けることになる。
成長期の骨には、骨が伸びるための軟らかい部分(成長板)があります。
そしてこの部分は、そこにくっついている靱帯よりも弱いとされています。
強い引っぱりが繰り返された時、先に傷むのは骨の側になります。
外側は、骨どうしがぶつかって剥がれる
肘の外側では、起きていることが違います。
投げる時、外側は骨どうしが押しつけられる側になります。
その衝突が繰り返されると、骨と軟骨がゆるんだり、剥がれたりするとされています。
内側は引っぱられて傷み、外側はぶつかって剥がれる。
同じひとつの投球動作の中で、正反対のことが起きています。
呼び名は同じでも、中身は別のものです。

いちばん多いのは11歳・12歳
年齢には、はっきりしたピークがあります。
野球肘の発生は11歳、12歳がピーク。
肩のほうは15歳、16歳がピークとされていて、肘と肩で傷みやすい時期が違います。
そして、投手と捕手に圧倒的に多い。
資料には、各チームに投手と捕手をそれぞれ2名以上育てておくことが望ましい、と書かれています。
数字も残っています。
四国地区で行われた調査(13年間・5,768名)では、チーム内の野球肘の発生は約50%。
そしてレントゲンで骨に異常があった選手は、全選手の約20%に達していました。
痛いと言っているお子さんだけの話ではない、ということになります。

すぐにやめさせるサイン
投球をすぐにやめるべきサインが挙げられています。
- 肘の痛みや腫れとともに、球のスピードが落ちている
- 投げた時に「ポン」という感覚があった
- 腕にしびれやピリピリする感じがある
- 肘の曲げ伸ばしの範囲が狭くなっている
- 肘が引っかかって、動かなくなることがある
どれも、そばで見ていれば気づけるものです。
とくに球のスピードが落ちることは、本人が痛みを訴える前に出ることがあります。
大丈夫だと言っていても、球が走っていない。
そこは、見ている方にしか分かりません。
1日50球、週200球という目安
投げすぎが原因だと分かっているので、投げる数の目安が示されています。
小学生/1日50球以内・週200球以内
中学生/1日70球以内・週350球以内
高校生/1日100球以内・週500球以内
練習についても目安があります。
小学生は週3日以内、1日2時間以内。
中学生と高校生は、週に1日以上の休養日をとること。
そして、1日に2試合の登板は禁止すべきとはっきり書かれています。

数えている人が、そばにいるかどうか
目安があるだけでは、守られません。
同じ調査では、投手の1日2試合の連投が40%近くに達していたという数字が残っています。
投手の1日の投球数は平均で50球、最も多い選手では150球でした。
数えている人がいなければ、増えていることに誰も気づきません。
球数を数えるのは監督やコーチの仕事だと思われがちです。
ただ、いちばん熱心に数えられるのは、そのお子さんの親御さんだと私は思っています。
痛いと言った時点で、投球を止める
投球の中止が重要で、肘の安静が大切。
これが最初に来ます。
どこが傷んでいるかは、レントゲンやMRIで確かめます。
痛みを我慢して投球を続けていると障害が悪化し、症状によっては手術が必要になることもあるとされています。
野球の肘と肩の障害は、将来重度の後遺症を引き起こす可能性があるとも書かれています。
だからこそ、指導者と連携したうえで、専門医による定期的な検診が望ましいとされています。
試合が近い、というご事情はよくわかります。
それでも痛みを訴えた時点でいったん止めることが、いちばん短い回り道になると私は思っています。
まとめ
ここまで読んでくださってありがとうございます!
- 野球肘は、成長期の投げすぎで生じる肘の障害をまとめた呼び名
- 傷むところは内側・外側・後方の3通りで、中身が違う
- 内側は引っぱられて靱帯・腱・軟骨が傷む。成長板は靱帯より弱い
- 外側は骨どうしがぶつかって、骨と軟骨が剥がれる
- 発生のピークは11歳・12歳。投手と捕手に圧倒的に多い
- 球のスピードが落ちる・しびれる・引っかかる時はすぐに投球を止める
- 球数の目安は小学生1日50球、中学生70球、高校生100球
- 痛みを我慢して投げ続けると悪化する。検診を受けておく価値がある
お子さんの「大丈夫」は、続けたい気持ちから出てくることがあります。
数えることと見ていることの2つで、守っていきましょう!
お子さんの肘の痛みが続いている方は、立川駅・立川南駅から徒歩5〜8分の当院にもご相談ください。
yell鍼灸治療院は、あなたの健康と笑顔とハッピーを超応援します!
参考文献
日本整形外科学会「野球肘」日本整形外科学会 症状・病気をしらべる.
日本臨床スポーツ医学会 整形外科部会「青少年の野球障害に対する提言」日本臨床スポーツ医学会誌 Vol.13 Suppl., 2005, pp.241-242.
American Academy of Orthopaedic Surgeons「Throwing Injuries in the Elbow in Children」OrthoInfo.





