
腰痛あるとデッドはNG?|研究で見えた"やっていい"のライン
目次
こんにちは! yell鍼灸治療院の斉藤です!
今回は、「腰痛があるとデッドリフトはNG?」というテーマで書いていきたいと思います!
腰痛があるとデッドはNGって言われていませんか?
「腰痛があるからデッドは止めなさい」
そう言われて、筋トレを控えている方に、時々お会いします。
この通説、近年の研究では違う見方が出てきているんです!
68名の研究が調べたのは"動作の変わり方"
2024年に「International Journal of Sports Physical Therapy(IJSPT)」に掲載された論文(McGowen 2024)が、腰痛を抱えながら筋トレをしている方の動作を詳しく調べてくれています。
被験者は、身体を動かす習慣のある成人 68名。
(うち41名が女性・平均21.3歳・BMI 30未満)
その中で、腰痛を抱えているグループ(LBP群)34名と、抱えていないグループ(対照群)34名を分けて比較しました。
種目は、トラップバー デッドリフト。
(トラップバー=六角形のフレームの中に入って挙上する形のバーベル、大谷翔平がやるものすごいデッドリフトのやつです。)
バーベル デッドリフトよりも背中への負担が抑えられる形として、リハビリ現場でも使われている道具なんですね。
測定したのは、大腿と背中まわりの4つの筋の"硬さ"。
myotonometry(マイオトノメトリー)=筋硬度計という機器を使って、寝ている姿勢・立っている姿勢・デッドリフトの構えの3つの姿勢での筋硬度を計測しています。
「腰痛があると、デッドの構えで筋の硬さや動きが変わってしまうのか?」を数字で見た研究です。

腰痛があってもデッドの動作は変わらなかった
結果は、こう出ました。
絶対的な筋硬度(実測値)は、腰痛グループと対照グループの間で有意な差は出なかった。
腰痛を抱えていても、デッドの構えで働く筋の硬さそのものは、健常者と変わらなかった。
もう一つ、姿勢による%変化(寝てる時→デッドの構え)を比較すると、内側広筋(VL・太もも前)と大腿二頭筋(BF・太もも裏)で、対照群のほうが変化幅がやや大きい傾向はありました(VL +21.9%・BF +11.2%)。
ただし、論文の考察でも、この差は「測定誤差の範囲内」とされていて、動作のメカニクスに実質的な差があるとまでは言えない、というのが結論とのこと。
まとめると、
「腰痛があるから動作を変えなければならない」ではない
という研究結果が出たそうです。
「腰痛があるからデッドは止めなさい」
そうアドバイスを受けた方の中には、「筋トレを続けたいのに、、」と悩んでいる方もいらっしゃると思います。
そういった方にとって、今回の研究結果は、選択肢を広げてくれる大切な視点になるのではないでしょうか。
ただし条件つき|軽度〜中等度・trap bar・軽負荷
ここで、大事な条件が3つあります。
論文の被験者は、軽度〜中等度の腰痛を抱えている方で、痛みが強くて動けないような状態ではありませんでした。
種目も、トラップバーでのデッドリフトで、バーベル デッドリフトとは背中や腰への負担のかかり方が少し違います。
そして、軽〜中程度の重量での測定だったんですね。
急性期(強い痛みが出ている時期)
重度の腰痛
高重量のバーベル デッドリフト
こういったケースは、この論文の対象外になります。
読み間違えないようにしたいところ。
「腰痛があってもデッドできる!」を全てのケースに当てはめてしまうと、逆に危険な状況を招くことにもなってしまいますので注意が必要です。

やっていい?やめておく?の判断軸
腰痛を抱えていて筋トレを続けたい方は、どう判断すればいいのか?
3つのケースに分けて整理してみます。
やっていいケース
軽度〜中等度の腰痛で、動作評価を受けたことがある方は、
「トラップバー デッドリフト」
「軽〜中程度の重量」
「フォームの安定を優先する」
という形なら、続けても大きな問題は出にくいと考えられます。
「腰痛があってもデッドを続けた方が、腰まわりの筋も維持できて長期的にはいい」
という考え方も、この論文の背景にはありますね。
やめておくケース
急性期の強い痛み
重度の腰痛(脚のしびれや麻痺を伴う)
過去に手術を受けた腰
こういったケースは、この論文の結論を当てはめる範囲ではないので、まずは病院での診断や、動作評価を受けてからの判断が安心です。
迷ったら動作評価から
「自分の腰痛はどのくらいの重さなのか、、」
「どの動作が身体に負担になっているのか、、」
自己判断が難しい場合は、動作評価を受けるのが一番の近道だと思います。
yell鍼灸治療院でも、腰痛のある方には、まず身体の状態と動作の癖を一緒に見立てるところから始めています。
腰まわりだけでなく、股関節や太もも裏、背中まで含めて、「どこがこわばっているか」「どの動きが窮屈になっているか」を確認しながら、無理のない形を一緒に探していきます。
「デッドを続けていいか、少し休んだ方がいいか」の判断も、身体を診てからのほうが安心だと思います!
まとめ
ここまで読んでくださってありがとうございます!
今回のまとめ
- 68名の研究で、腰痛群と健常群のデッドリフト動作に有意差は出なかった
- 「腰痛=デッド禁止」は、そう単純な話ではないとわかってきた
- ただし、軽度〜中等度の腰痛・トラップバー・軽〜中程度の重量、という条件つき
- 急性期・重度・脚のしびれがある場合は、動作評価や病院での診断が先
腰痛を抱えていても、デッドリフトを楽しめる可能性が残っているというのは、筋トレを続けたい方にとっては明るい話ですね!
筋トレは、腰痛と長く付き合う中でも味方になってくれる可能性のある習慣なんです。
自分の身体の状態と相談しながら、少しずつ動きを整えていきましょう!
もし腰の張りや違和感がなかなか抜けないようであれば、動作を一緒に見立てるところから、ぜひ yell鍼灸治療院にご相談ください。
yell鍼灸治療院は、あなたの健康と笑顔とハッピーを超応援します!
📚 参考文献
- McGowen JM, Albin SR, Hoppes CW, et al. Physically Active Adults with Low Back Pain do not Demonstrate Altered Deadlift Mechanics. Int J Sports Phys Ther. 2024;19(1):1462-1472.





