ジムでバーを高い位置と低い位置にそれぞれ担いだ男性2人の後ろ姿シルエット並列。立川の鍼灸師が高バーと低バーでスクワットの主役の筋肉が変わる仕組みを解説する記事のアイキャッチ

高バーと低バー|バーの位置で主役の筋肉が変わる

スポーツ
目次
  1. 高バーと低バーって何が違う?
  2. バーの位置で主役の筋肉が入れ替わる
  3. 実は「差が小さい」意外な事実
  4. 自分はどっちを選べばいい?
  5. フォーム選びに迷ったら
  6. まとめ
  7. 参考文献

こんにちは! yell鍼灸治療院の斉藤です!
今回は、スクワットの高バーと低バーの違いについて書いていきたいと思います!

こんな疑問を持ったことはありませんか?

「バーを担ぐ位置って、上の方と下の方でどう違うの?」
「お尻を鍛えたいのに、なんだか太もも前ばかり張っている気がする、、」

このモヤモヤ、担ぐ位置が関係しているかもしれません。

高バーと低バーって何が違う?

スクワットには、バーを担ぐ位置で2つのスタイルがあります。

  • 高バー:首の付け根に近い、僧帽筋の上あたりにバーを乗せる
  • 低バー:肩甲骨のあたり、少し下にバーを乗せる

たった数センチの違いですが、この位置でフォーム全体が変わります。

理由は、バーと身体の重心の関係にあります。
人の身体は、バーの真下に重心を保とうとします。
バーを低い位置に乗せると、そのバランスを取るために自然と上半身が前に倒れ、お尻を後ろに引く姿勢になります。
逆にバーを高い位置に乗せると、上半身を立てたまま沈むので、膝が前に出やすくなります。

同じ重さを担いでいても、身体の使い方がまるで別物になるんですね!

高バーと低バーの担ぎ位置の違いを示す線画イラスト。左は首の付け根、右は肩甲骨の位置にバーを乗せた対比

バーの位置で主役の筋肉が入れ替わる

この2つのスタイルで筋肉の働きがどう変わるのか。
パワーリフティング経験者12名を対象に、筋電図で活動量を比べた研究があります。

低バーはお尻ともも裏が主役

バーを下げて上半身を前に倒す低バーでは、身体の後ろ側の筋肉がよく働きます。
上半身が前に倒れるぶん、股関節を大きく曲げ伸ばしすることになり、お尻ともも裏が総動員されるからです。

その研究では、しゃがんでいく下降の局面で、こんな結果が報告されています。

  • 大殿筋(お尻)が、高バーより16〜25%も高く活動
  • 大腿二頭筋(もも裏)も9〜12%高い
  • 腰の脊柱起立筋も8〜14%高い

お尻ともも裏を鍛えたい方には、低バーが向いていると言えそうです。

高バーは太もも前が出番

一方で、太もも前の大腿直筋だけは、逆に高バーの方が6〜8%高く活動していました。
上半身を立てて膝を前に出すぶん、太もも前が主役になるわけですね。

しかもこの傾向は、しゃがむ下降だけでなく、立ち上がる上昇の局面でも同じでした。
低バーでは終始お尻ともも裏が、高バーでは太もも前が、それぞれ最初から最後まで主役を務めるということです。

つまり、「お尻・もも裏なら低バー/太もも前なら高バー」という使い分けが見えてきます。

バー位置別の主要筋活動を示すポスター。大殿筋16〜25%・もも裏9〜12%は低バーが高く、大腿直筋のみ高バーが6〜8%高いという論文数字を掲載

実は「差が小さい」意外な事実

ここまで読むと、「低バーの方が全部よく働くんだ」と思われるかもしれません。
でも、意外な事実があります。

膝を伸ばす太もも全体の筋肉(大腿四頭筋)で見ると、高バーと低バーの差はほとんどなく、誤差の範囲だったのです。
太もも前をがっつり鍛えたいだけなら、どちらでも大きくは変わらない、ということですね。

はっきり差が出たのは、お尻・もも裏という身体の後ろ側でした。
お尻は股関節を伸ばす力、もも裏は股関節を伸ばしつつ膝を曲げる力を担っています。
どちらも、歩く・走る・跳ぶといった日常やスポーツの動きを支える、大切な後ろ側の筋肉です。

だからこそ、「後ろ側を鍛えたいかどうか」が、バー位置を選ぶ一番の分かれ目になります。

自分はどっちを選べばいい?

では、自分はどちらを選べばいいのか。
目的別に整理すると、選びやすくなります。

  • お尻・もも裏を強くしたい → 低バー
  • 太もも前をしっかり使いたい → 高バー
  • とにかく重い重量に挑戦したい → 低バー(上半身を倒せるぶん力を出しやすい)

ジムの壁掛けホワイトボードに書かれた目的別バーの選び方チャート。お尻・もも裏は低バー、太もも前は高バー、重量重視は低バーが対応

走る競技をしている方なら、地面を後ろに蹴り出すお尻ともも裏は大きな武器になります。
私自身トライアスロンをやってきて、後ろ側の筋肉の大切さは身にしみています。

ただし、低バーは上半身を前に倒すぶん、腰への負担も増えます。
腰に不安のある方が急に低バーへ切り替えると、思わぬ痛みにつながることもあります。
まずは今のフォームで身体のどこが働いているかを感じながら、少しずつ試すのがおすすめです!

フォーム選びに迷ったら

高バーも低バーも、どちらが正解というものではありません。
自分の目的と身体の状態に合っている方が、その人にとっての正解です。

「お尻を使いたいのにうまく力が入らない」
「低バーにしたら腰が張るようになった」

こうしたときは、フォームと身体の状態がずれているサインかもしれません。

たとえば、膝の前に不安がある方は、膝が前に出やすい高バーだと負担を感じやすいことがあります。
反対に、腰に不安がある方は、上半身を前に倒す低バーで腰が張りやすいことがあります。
どちらの負担を避けたいかによって、選ぶバー位置も変わってきます。

自分ではフォームの善し悪しはなかなか見えないものですが、身体の反応は正直です。
腰の張り方、翌日の疲れの残り方、動き出しの重さ、、
そういった小さな身体の声を頼りに、今の身体の状態を確かめながら、自分に合うバー位置を一緒に探していけると安心ですね!

まとめ

ここまで読んでくださってありがとうございます!

まとめ

  • スクワットは 高バー(首の付け根)と低バー(肩甲骨) でフォーム全体が変わる
  • 低バーは下降局面でお尻が16〜25%・もも裏が9〜12%高く活動する
  • 太もも前の大腿直筋だけは高バーが6〜8%高い(唯一の逆転)
  • 膝を伸ばす太もも全体では高バーと低バーの差はほとんどない

バーを担ぐ位置をほんの数センチ変えるだけで、鍛えられる主役の筋肉が入れ替わります。
自分の目的に合ったバー位置で、狙った場所をしっかり鍛えていきましょう!

yell鍼灸治療院は、あなたの健康と笑顔とハッピーを超応援します!


参考文献

  • Murawa M, Fryzowicz A, Kabacinski J, et al. Muscle activation varies between high-bar and low-bar back squat. PeerJ. 2020;8:e9256.
カテゴリスポーツ
タグ#スクワット#ハムストリング#低バー#大殿筋#立川#鍼灸#高バー
院長 斉藤宏之

この記事を書いた人

斉藤 宏之

鍼灸師・柔道整復師(国家資格)/2015年から臨床

立川・錦町の完全自費 鍼灸治療院。「またここに来れば大丈夫」と思える場所を目指しています。

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