
高バーと低バー|バーの位置で主役の筋肉が変わる
目次
こんにちは! yell鍼灸治療院の斉藤です!
今回は、スクワットの高バーと低バーの違いについて書いていきたいと思います!
こんな疑問を持ったことはありませんか?
「バーを担ぐ位置って、上の方と下の方でどう違うの?」
「お尻を鍛えたいのに、なんだか太もも前ばかり張っている気がする、、」
このモヤモヤ、担ぐ位置が関係しているかもしれません。
高バーと低バーって何が違う?
スクワットには、バーを担ぐ位置で2つのスタイルがあります。
- 高バー:首の付け根に近い、僧帽筋の上あたりにバーを乗せる
- 低バー:肩甲骨のあたり、少し下にバーを乗せる
たった数センチの違いですが、この位置でフォーム全体が変わります。
理由は、バーと身体の重心の関係にあります。
人の身体は、バーの真下に重心を保とうとします。
バーを低い位置に乗せると、そのバランスを取るために自然と上半身が前に倒れ、お尻を後ろに引く姿勢になります。
逆にバーを高い位置に乗せると、上半身を立てたまま沈むので、膝が前に出やすくなります。
同じ重さを担いでいても、身体の使い方がまるで別物になるんですね!

バーの位置で主役の筋肉が入れ替わる
この2つのスタイルで筋肉の働きがどう変わるのか。
パワーリフティング経験者12名を対象に、筋電図で活動量を比べた研究があります。
低バーはお尻ともも裏が主役
バーを下げて上半身を前に倒す低バーでは、身体の後ろ側の筋肉がよく働きます。
上半身が前に倒れるぶん、股関節を大きく曲げ伸ばしすることになり、お尻ともも裏が総動員されるからです。
その研究では、しゃがんでいく下降の局面で、こんな結果が報告されています。
- 大殿筋(お尻)が、高バーより16〜25%も高く活動
- 大腿二頭筋(もも裏)も9〜12%高い
- 腰の脊柱起立筋も8〜14%高い
お尻ともも裏を鍛えたい方には、低バーが向いていると言えそうです。
高バーは太もも前が出番
一方で、太もも前の大腿直筋だけは、逆に高バーの方が6〜8%高く活動していました。
上半身を立てて膝を前に出すぶん、太もも前が主役になるわけですね。
しかもこの傾向は、しゃがむ下降だけでなく、立ち上がる上昇の局面でも同じでした。
低バーでは終始お尻ともも裏が、高バーでは太もも前が、それぞれ最初から最後まで主役を務めるということです。
つまり、「お尻・もも裏なら低バー/太もも前なら高バー」という使い分けが見えてきます。

実は「差が小さい」意外な事実
ここまで読むと、「低バーの方が全部よく働くんだ」と思われるかもしれません。
でも、意外な事実があります。
膝を伸ばす太もも全体の筋肉(大腿四頭筋)で見ると、高バーと低バーの差はほとんどなく、誤差の範囲だったのです。
太もも前をがっつり鍛えたいだけなら、どちらでも大きくは変わらない、ということですね。
はっきり差が出たのは、お尻・もも裏という身体の後ろ側でした。
お尻は股関節を伸ばす力、もも裏は股関節を伸ばしつつ膝を曲げる力を担っています。
どちらも、歩く・走る・跳ぶといった日常やスポーツの動きを支える、大切な後ろ側の筋肉です。
だからこそ、「後ろ側を鍛えたいかどうか」が、バー位置を選ぶ一番の分かれ目になります。
自分はどっちを選べばいい?
では、自分はどちらを選べばいいのか。
目的別に整理すると、選びやすくなります。
- お尻・もも裏を強くしたい → 低バー
- 太もも前をしっかり使いたい → 高バー
- とにかく重い重量に挑戦したい → 低バー(上半身を倒せるぶん力を出しやすい)

走る競技をしている方なら、地面を後ろに蹴り出すお尻ともも裏は大きな武器になります。
私自身トライアスロンをやってきて、後ろ側の筋肉の大切さは身にしみています。
ただし、低バーは上半身を前に倒すぶん、腰への負担も増えます。
腰に不安のある方が急に低バーへ切り替えると、思わぬ痛みにつながることもあります。
まずは今のフォームで身体のどこが働いているかを感じながら、少しずつ試すのがおすすめです!
フォーム選びに迷ったら
高バーも低バーも、どちらが正解というものではありません。
自分の目的と身体の状態に合っている方が、その人にとっての正解です。
「お尻を使いたいのにうまく力が入らない」
「低バーにしたら腰が張るようになった」
こうしたときは、フォームと身体の状態がずれているサインかもしれません。
たとえば、膝の前に不安がある方は、膝が前に出やすい高バーだと負担を感じやすいことがあります。
反対に、腰に不安がある方は、上半身を前に倒す低バーで腰が張りやすいことがあります。
どちらの負担を避けたいかによって、選ぶバー位置も変わってきます。
自分ではフォームの善し悪しはなかなか見えないものですが、身体の反応は正直です。
腰の張り方、翌日の疲れの残り方、動き出しの重さ、、
そういった小さな身体の声を頼りに、今の身体の状態を確かめながら、自分に合うバー位置を一緒に探していけると安心ですね!
まとめ
ここまで読んでくださってありがとうございます!
まとめ
- スクワットは 高バー(首の付け根)と低バー(肩甲骨) でフォーム全体が変わる
- 低バーは下降局面でお尻が16〜25%・もも裏が9〜12%高く活動する
- 太もも前の大腿直筋だけは高バーが6〜8%高い(唯一の逆転)
- 膝を伸ばす太もも全体では高バーと低バーの差はほとんどない
バーを担ぐ位置をほんの数センチ変えるだけで、鍛えられる主役の筋肉が入れ替わります。
自分の目的に合ったバー位置で、狙った場所をしっかり鍛えていきましょう!
yell鍼灸治療院は、あなたの健康と笑顔とハッピーを超応援します!
参考文献
- Murawa M, Fryzowicz A, Kabacinski J, et al. Muscle activation varies between high-bar and low-bar back squat. PeerJ. 2020;8:e9256.





