
階段で膝がジリッ|女性に多い『お皿の痛み』との向き合い方
目次
こんにちは! yell鍼灸治療院の斉藤です!
今回は、階段や座って立ち上がるときに、膝のお皿のあたりがジリッと痛む というお悩みについて書いていきたいと思います!
「特にぶつけたわけでもないのに、膝のお皿の周りが痛い」
「階段の上り下りや、しゃがんだ姿勢から立ち上がるときが、特につらい」
そんな経験はありませんか。
これは、実はよくある膝の不調のひとつなんです。
その膝痛、もしかして「膝蓋大腿痛症候群」かも
膝のお皿(膝蓋骨)の周りが痛む状態を、専門の言葉で 膝蓋大腿痛症候群(PFPS) と呼びます。
ちょっと長いので、ここでは お皿の痛み とお伝えしますね。
このお皿の痛みは、決して珍しいものではありません。
ある研究では、1年間で およそ5人に1人(22.7%) が経験するとされていて、特に思春期になると 3人に1人(28.9%) まで増えると報告されています。
そして、もうひとつ特徴が。
それは、女性に圧倒的に多い ということ。
「階段や座って立つときが痛い」「ぶつけた覚えはない」
こうした特徴がそろえば、お皿の痛みの可能性が高いです。

よく聞く「筋トレで治る」って本当?
お皿の痛みに対して、整形外科やリハビリの現場でいちばんよく使われるのが 筋力をつける運動(強化運動)です。
具体的には、こんな運動が組み合わされます。
- お尻の外側の筋肉を鍛える運動
- 太ももの前の筋肉を鍛える運動
- お腹や背中(体幹)を安定させる運動
週3回・30〜40分・6週間ほど。
これが、世界中で標準的に処方されている目安です。
「じゃあ、筋トレを続ければ治るんだね!」と思いたくなるところですが、2025年の大きな研究が、ちょっと意外な事実を教えてくれました。
2025年のメタ分析が見せた「数字の正直なところ」
膝の痛み(膝蓋大腿痛症候群)へのリハビリを、まとめて分析した研究が2025年に発表されました。
分析対象は、12の臨床研究・合計1,300人以上 のデータ。
結果、リハビリを続けたグループは、確かに膝の痛みが減りました。
ただ、その「減り方」がポイントだったんです。
| 時期 | 痛みの減り具合(10点満点中) |
|---|---|
| 4〜6週後 | -1.44点 |
| 8〜12週後 | -0.8点 |
「ちゃんと減ってる!」と感じますよね。
でも、ここで知っておきたい言葉があります。
それが 最小臨床的差(MCID) という考え方です。
簡単に言うと、「これくらい減ってくれないと、本人が『楽になった』と感じられない」最低ラインのこと。
膝の痛みの場合、このラインは 約2点。
つまり、1.44点や0.8点では、まだ『楽になった』と感じるラインに届いていない ということ。
正直、ちょっと拍子抜けする結果ですよね、、
4週間も頑張って効果を感じないんかい!
と、思いますよね、、涙

ただし、女性だけ見ると話が変わる!
ところが、です。
この研究、もうひとつ大事な分析をしてくれていました。
それは、女性だけを取り出して見るとどうなるか という分析です。
結果は、こうでした。
| 集団 | 痛みの減り具合 | MCID(2点)を超えたか |
|---|---|---|
| 全体(男女合わせて) | -1.44点 | 届かず |
| 女性だけ | -2.81点 | しっかり超える! |
ぜんぜん違うんですよね、、
つまりリハビリは、全員に均等に作用するわけではなく、女性で特にしっかり改善が見られる 可能性があるということ。
これは、女性のお皿の痛みに悩む方にとって、励みになる事実だと思います!
なぜ女性で効果が見られるのか
研究の著者は、この理由について、こう書いています。
「女性は男性と比べて、お尻の外側の筋肉が弱い傾向があり、膝が内側に倒れやすい。そのために、お皿の痛みや関節への負担が起きやすい」
簡単に言うと、女性の身体は構造上、お尻の外側の筋肉がもともと弱めで、膝が内側に「く」の字に倒れやすい 傾向があるんです。
だからこそ、お尻の外側を鍛える運動が、女性のお皿の痛みに直接結びつきやすい という説明になります。
逆に言うと、男性のお皿の痛みは、別の原因(使いすぎ・身体の硬さ・動きのクセなど)が関係していることが多く、筋トレだけでは届きにくい可能性があります。
男女で、アプローチを少し変える必要がある というのが、この研究の隠れた示唆だと感じました。
そして、この研究のもうひとつ好きなところは、「ただし、確実とは言えない」と冷静に締めくくる正直さ。
こういう誠実な論文、私は好きです!
自宅でできる「お尻の外側」を鍛える運動
自宅でできる運動を3つ。
① クラムシェル
横向きに寝て、膝を軽く曲げて重ねた状態から、上の膝だけを開く 運動。
かかとは離さず、膝だけパカッと開いてゆっくり閉じる(左右15回×2セット)。

② サイドレッグレイズ
横向きに寝て、上の脚をまっすぐ伸ばしたまま、ゆっくり持ち上げる 運動。
身体が前に倒れないように、お尻の外側で持ち上げる感覚で(左右10回×2セット)。

③ グルートブリッジ
仰向けに寝て膝を立て、お尻を持ち上げてキープ する運動(5秒×10回)。

どれも特別な道具は要らず、寝ながらできるのがポイント。
継続が何より大事なので、毎日コツコツでいきましょう!
yellができること
お皿の痛みに対して、鍼灸はどう関わっていけるのか。
私のスタンスはシンプルです。
主役は、ご自身のリハビリと身体の回復力。
その上で、こわばった太ももの筋肉を整え、動かしやすい状態に近づけるアプローチで、リハビリが進めやすい土台をサポートする。
整形外科や理学療法の方が立てた計画と並走する形で、補助的に使っていただけたら嬉しいです!
私自身もトライアスロンをやるので、「練習を続けたい、でも膝に違和感がある」というジレンマは、痛いほど分かります、、涙
一緒に前に進んでいきましょう!
まとめ
ここまで読んでくださってありがとうございます!
今回のポイントをまとめます。
- 階段や座って立ち上がるときの膝のお皿の痛みは 膝蓋大腿痛症候群 という、よくある不調
- 1年間で 5人に1人、思春期では 3人に1人 が経験する身近な症状
- 治療の中心は お尻・太もも・体幹の強化運動(週3回・6週間が目安)
- 2025年の大規模分析では、全体ではまだ「効いた」と感じる差に届かなかった
- ただし 女性だけで見ると、しっかりMCIDを超える 痛みの軽減が出た
- 理由は 女性に多い「お尻の外側の弱さ+膝が内側に倒れる」構造的特徴 を、強化運動が補正してくれるから
「自分のお皿の痛み、ちゃんと向き合いたいな」と感じられたら、公式LINE からお気軽にどうぞ。
立川駅・立川南駅からアクセスしやすい場所にあります。
yell鍼灸治療院は、あなたの健康と笑顔とハッピーを超応援します!
参考文献
- Salaffi F, et al. "Conservative treatment of patellofemoral pain: effectiveness of strength exercises compared to other treatments. A systematic review with meta-analysis." BMC Sports Science, Medicine and Rehabilitation 2025.




