
肉離れと鍼灸のすべて|タイプ・復帰・エビデンス総まとめ
目次
こんにちは! yell鍼灸治療院の斉藤です!
今回は、これまで7回にわたってお届けしてきた 肉離れシリーズの総まとめ をお届けします!
肉離れについて、
「2つのタイプがある」
「復帰は数字で確かめる」
「鍼はどう役立つのか」
と、いろいろな角度から書いてきました。
この記事では、その全体を一本の地図のようにまとめ直します。
どこから読んでも大丈夫なように、気になるテーマからそれぞれの詳しい記事へ進んでいただけるようにしましたので、ぜひ入口として使ってください!
まず、肉離れには「2つのタイプ」がある
肉離れと一口に言っても、傷つく場所によって大きく2つのタイプに分かれます。
それが 筋線維型(I型) と 腱膜型(II型) です。
簡単に言うと、
「筋肉そのもの」が傷つくのか、
「筋肉と腱の境目(腱膜)」が傷つくのか、
という違いですね。
このタイプの違いは、復帰までの道のりに関わってきます。
実際、復帰までにかかる時間の目安は、タイプによって変わってくることも分かってきています。
だからこそ、まずは「自分(あるいは選手)の肉離れはどっちなのか」を知ることが、回復のスタートラインになります。
タイプの見分け方や、リハビリで陥りがちな注意点については、ハムストリング肉離れの2タイプ と 肉離れリハの3つの落とし穴 で詳しく解説しています。
「肉離れって何だろう?」というところから知りたい方は、この2記事が入口です。
復帰は「感覚」ではなく「数字」で判断する
「もう痛くないから大丈夫」
これが、肉離れ復帰でいちばん危ない考え方だと、私は思っています!
痛みは、筋力や柔軟性よりも先に消えてしまうことがあります。
だから、痛みが引いても、力や柔らかさは「まだ戻りきっていない」ことがある。
その見えないギャップが、再発の入り口になってしまいます。
ここで頼りになるのが 数字 です。
筋力は「患健比(ケガ側の力÷健側の力)」で、柔軟性はSLRとAKETという2つのテストで、左右差を確かめます。
「なんとなく動ける」と「数字で戻っている」の間には、思っているより大きな差があるんです。
そして2024年の研究が、とても励みになる事実を示してくれました。
復帰までの 期間 はタイプで違っても、復帰した時点での 筋力と柔軟性は、タイプに関係なく戻っていた のです。
「自分は治りの遅いタイプかも」と落ち込む必要はない、ということですね。
具体的な数字や測り方は、肉離れの復帰、筋力と柔軟性は戻る?数字で見る判定 でじっくり読み解いています。

鍼にできること①:柔軟性へのアプローチ
ここからは、yellの専門である鍼のお話です。
2023年に発表されたRCT(ランダム化比較試験)では、面白い結果が出ました。
本物の鍼を打ったグループだけが、ハムストリングの 柔軟性 を有意に改善したのです。
一方で、痛みのほうには、はっきりした差は出ませんでした。
つまり鍼は、「痛みを直接消す道具」というより、こわばった筋肉をゆるめて動かしやすくする という方向で力を発揮した、と読めます。
柔らかさが戻れば、筋肉が無理に引っ張られる場面も減っていく。
これは、再発を防ぐという面でも意味があると考えられます。
くわしくは、鍼でハムストリングの柔軟性は変わる? と、その結論をさらに深掘りした 鍼で変わるのは疼痛より柔軟性? をご覧ください。
鍼にできること②:アスリートの現場と「組み合わせ」
世界に目を向けると、鍼はもっと幅広く使われています。
8カ国・211人のアスリートを集めたレビューでは、膝・肘・肩などのトラブルに対して、鍼が短期的な痛みの軽減と機能の回復に役立つ可能性が報告されていました。
ただ、ここで大事な正直さがあります。
ハムストリング腱症の症例では、鍼は 単独ではなく 、遠心性トレーニングや腰骨盤の安定化、患者教育と 組み合わせて 使われていました。
この「組み合わせる」という考え方は、再発しやすいハムストリングほど、より大切になります。
このあたりは、アスリートはなぜ鍼を選ぶ? と 鍼だけじゃない|ハムストリング腱症の組み合わせ治療 で、症例とともに紹介しています。

yellが大切にしていること
7回のシリーズを通して、私がお伝えしたかったことは、実はとてもシンプルです。
肉離れの回復は、正しく知って、数字で確かめながら、いろいろな手を組み合わせて進める。
鍼はその中で、こわばった筋肉を整え、回復しやすい身体の状態に近づけるサポートができると考えています。
主役はあくまでリハビリと、ご自身の回復力。
「鍼を打って終わり」ではなく、回復しやすい土台づくりをお手伝いする。
それが、yellの考える関わり方です。
私自身もトライアスロンをやるので、「早く戻りたい、でも無理もしたくない」というジレンマは、痛いほど分かります、、涙
焦らず、でも着実に!
一緒に前に進んでいきましょう!
まとめ
ここまで読んでくださってありがとうございます!
肉離れシリーズの要点を、最後にまとめます。
- 肉離れには 筋線維型・腱膜型の2タイプ があり、まず知ることがスタート
- 復帰は 感覚ではなく数字(患健比・SLR・AKET) で確かめる
- 復帰期間はタイプで違っても、筋力・柔軟性はタイプに関係なく戻る
- 鍼は 柔軟性へのアプローチ で力を発揮し、痛みより柔らかさで変化が見られた研究がある
- 鍼は単独ではなく、運動療法や患者教育と組み合わせる のが現場の形
肉離れやスポーツ復帰の不安があれば、公式LINE からお気軽にどうぞ。
立川駅・立川南駅からアクセスしやすい場所にあります。
yell鍼灸治療院は、あなたの健康と笑顔とハッピーを超応援します!
参考文献
- 三宅秀俊ほか「ハムストリング肉離れからのスポーツ復帰時の身体機能―損傷型による比較―」日本臨床スポーツ医学会誌 Vol.32 No.1, 2024, pp.85-90.
- Carvalho RM, et al. "Acupuncture for Hamstring Flexibility: A Randomized Controlled Trial." 2023.
- Lee J-W, Lee J-H, Kim S-Y. "Use of Acupuncture for the Treatment of Sports-Related Injuries in Athletes: A Systematic Review of Case Reports." International Journal of Environmental Research and Public Health 2020; 17(21): 8226.
- Jayaseelan DJ, Moats N, Ricardo CR. "Rehabilitation of Proximal Hamstring Tendinopathy Utilizing Eccentric Training, Lumbopelvic Stabilization, and Trigger Point Dry Needling: 2 Case Reports." Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy 2014; 44(3): 198-205.




