
日曜バスケの翌朝、膝の前がジンジン|45秒でその日を助ける話
目次
こんにちは! yell鍼灸治療院の斉藤です!
今回は、日曜にバスケやバレーで跳んだ翌朝、階段を降りるときに膝のお皿の下がジンジンする ような膝の痛みのお話をしていきたいと思います!
「試合の日、途中から膝の前が痛くなって思い切り跳べなかった」
「翌朝、階段を降りるときにお皿の下がピキッとくる」
「湿布とサポーターで凌いでるけど、また来週の練習日が近づいてくる」
そんな経験、思い当たりませんか。
それ、いわゆる ジャンパー膝(膝蓋腱症) かもしれません。
そもそも、その膝の痛みは「炎症」ではないかも
跳ぶ・切り返すスポーツで膝のお皿の下が痛むと、多くの方が思い浮かべるのがアイシング と 湿布。
「炎症を冷やそう」という発想ですよね。
ただ、この考え方、2000年代からじわじわアップデートされています。
膝のお皿の下の腱が痛む状態は、正式には 膝蓋腱症(patellar tendinopathy) と呼ばれ、簡単に言うと 繰り返しの負荷で腱の内部が少しずつ変性している状態 です。
急性の炎症というより、慢性の組織の疲労と変性に近い。
だから、冷やしても、湿布を貼っても、根本のところにはあまり届きません。
「冷やせばOK」という発想は、そろそろ卒業してよさそうです、、
45秒『止まって力む』だけで痛みが引く不思議
ここからが、今回の主役です。
2024年に発表された保存療法をまとめたレビュー(9つの研究・約330人の選手が対象)に、面白い研究が並んでいました。
それが、等尺性運動(アイソメトリック) と呼ばれる方法です。
等尺性運動、聞き慣れないかもしれませんが、簡単に言うと 関節を動かさずに、その位置でグッと力むだけ の運動です。
スクワットのように上下しない。ただ、膝を軽く曲げた状態で、太ももに思い切り力を入れて止める。
これを 45秒間 キープする。
この地味な運動が、驚くほど痛みに作用することが分かってきました。
Rio 2015年の研究:バレー選手6人で試した結果、等尺性を1回やっただけで、運動直後だけでなく、45分後もまだ痛みが引いたまま(p<0.001)。
一方で、通常の上下動作(等張性)では、45分後には痛みが元に戻っていました。
Rio 2016年の研究:バレー・バスケ選手20人での比較。
等尺性の痛み減少は 1.8点(10点満点のスケール)。
等張性は 0.9点。
約2倍の差 で、等尺性の方が痛みを抑えていました。

なぜ『動かさずに力む』だけで痛みが引くのか
「動かないのに?」と不思議に思いますよね。
この鎮痛効果、脳と筋肉のつながりが関係しているのではと考えられています。
簡単に言うと、痛みを抑える脳の仕組み(下行性疼痛抑制系)が45秒間の等尺性収縮で目覚める、というイメージです。
もう一つ、面白い視点があります。
膝の痛みが長引いていると、脳は無意識に「その筋肉に力を入れさせない」ようにブレーキをかけるようになる(皮質抑制と呼ばれます)。
45秒間の等尺性は、このブレーキを一時的に外してくれる働きもあるようです。
つまり、この運動は その日の試合を乗り切るための『時間稼ぎ』 としてかなり優秀。
根本治療というより、痛みの信号を一時的に静める応急処置 に近い立ち位置です。
具体的なやり方(バスケの前や試合当日に)
やり方はシンプルです。
- 椅子か脚を伸ばせる場所に座る
- 膝を 60°くらい曲げた状態 で止める(少し浅めのスクワット姿勢に近い角度)
- 太ももに 最大の力の70〜80%くらい をイメージして力を入れる
- そのまま 45秒間 キープ
- 少し休んで、これを 5セット 繰り返す
膝関節の角度が肝で、深く曲げすぎず・浅すぎず。
「あぁ〜、太ももにガッツリ効いてるな」と感じるくらいの力感で45秒維持する感覚です。
試合の30分〜1時間前にやると、試合中の痛みが抑えられる、というのが選手層での使い方。
万能ではないという正直さ
もう一つ、この研究が誠実だったところ。
Holden 2019年の研究では、等尺性と別の運動(動的レジスタンス)の間で、痛みの減り方に明確な差は見られませんでした。
つまり、「等尺性がすべての選手に劇的に作用するわけではない」ということ。
ただし、これは大量の研究のうちの一つ。
複数の研究が 総じて等尺性の即時鎮痛効果を支持している という流れは変わりません。
過信せず、でも「試してみる価値のある応急策」として引き出しに持っておくのがちょうどいい距離感かもしれません。

yellができること
跳ぶスポーツでこじれた膝の腱の痛みに対して、鍼灸はどう関わっていけるのか。
膝のお皿まわりに集まる太もも前の筋肉のこわばりを緩めて、腱にかかる引っ張りを軽くしていくアプローチ。
そして、日常のケアとして等尺性運動を上手く使えるように、その日の身体の状態から一緒に見立てをする。
これが、yellがジャンパー膝に向き合うときのスタンスです!
「週末の練習を止めたくないけど、無理もしたくない」ジレンマは、痛いほど分かります。
辛い時こそ、一緒に前に進んでいきましょう!
まとめ
ここまで読んでくださってありがとうございます!
今回のポイントをまとめます。
- 跳ぶスポーツで膝のお皿の下がジンジンするのは ジャンパー膝(膝蓋腱症) かも
- 急性の炎症ではなく、腱の変性 なので、冷やすだけでは届かない
- 2024年の膝蓋腱症レビューでは 等尺性運動(45秒止まって力む) の即時鎮痛効果が繰り返し示された
- Rio 2015年:運動後45分たっても痛みが引いたまま(等張性は元に戻る)
- Rio 2016年:痛みの減少は 等尺性 1.8点 vs 等張性 0.9点 で約2倍
- やり方は 膝60°屈曲・最大筋力の70〜80%で45秒×5セット
- Holden 2019では有意差なしで 万能ではない、あくまで応急処置の引き出し
「試合や練習の日に、膝の前の痛みで思い切り動けない」と感じられたら、公式LINE からお気軽にどうぞ。
立川駅・立川南駅からアクセスしやすい場所にあります。
yell鍼灸治療院は、あなたの健康と笑顔とハッピーを超応援します!
参考文献
- Sharif F, Ahmad A, Gilani SA, Mahmood D. "A systematic review: impact of dry needling, isometric, and eccentric exercises on pain and function in individuals with patellar tendinopathy." Frontiers in Rehabilitation Sciences 2024.




