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肉離れの復帰、筋力と柔軟性は戻る?数字で見る判定

スポーツ
目次
  1. 復帰の合格ラインは「3つの条件」
  2. 「等速性筋力測定」って何を測っているの?
  3. 「SLR」と「AKET」という2つの柔軟性チェック
  4. なぜ「感覚」だけではダメなのか
  5. 2024年の研究が示した「意外な事実」
  6. 「時間」は違っても「ゴールの質」は同じ
  7. yellができること
  8. まとめ
  9. 参考文献

こんにちは! yell鍼灸治療院の斉藤です!

今回は、肉離れから復帰するとき、筋力と柔軟性は本当に戻っているのか というテーマで書いていきたいと思います!

「もう痛くないし、そろそろ走っていいかな?」
肉離れのリハビリ中、誰もが一度は思う瞬間です。
でも、「痛くない」と「戻っている」は別もの
今日は、その「戻っているか」を数字で確かめる話をします。

復帰の合格ラインは「3つの条件」

スポーツ復帰の目安として、よく挙げられる3つの条件があります。

  • ① 痛みがないこと
  • ② 伸張性(柔らかさ)に左右差がないこと
  • ③ 筋力が回復していること

①の「痛みがない」は、わりと分かりやすい。
問題は、②の柔軟性と③の筋力です。
これは 感覚ではなく、数字で測らないと分からない 部分なんです。

復帰の3条件(痛みがない・柔軟性の左右差なし・筋力の回復)をチェック付きで示したインフォグラフィック。立川の鍼灸師が解説する肉離れ復帰判定の記事内画像

「等速性筋力測定」って何を測っているの?

③の筋力を測るとき、研究でよく使われるのが 等速性筋力測定 という方法です。

簡単に言うと、専用の機械を使って、一定の速度で膝を曲げ伸ばししながら、出せる力を測る テスト。
速い動き(毎秒180度)とゆっくりの動き(毎秒60度)の2パターンで測ります。
速さによって筋肉の力の出方は変わるので、2つの速度で測ることで、より多面的に「戻り具合」を確かめられます。

そして大事なのが 患健比 という考え方。
これは「ケガをした側の力 ÷ 健康な側の力」の割合のこと。
100に近いほど、左右差なく戻っている という意味になります。

たとえば患健比が70なら、ケガ側はまだ健側の7割の力しか出せていない、ということ。
見た目では分からない「あと3割の戻り残し」を、数字があぶり出してくれます。
「なんとなく動ける」と「数字で戻っている」の間には、それくらいの差があるんです。

健側とケガ側の力を比べるゲージと「患健比=ケガ側÷健側」の式を示した概念図。立川の鍼灸師が解説する等速性筋力測定の記事内画像

「SLR」と「AKET」という2つの柔軟性チェック

②の柔軟性は、2つのテストで測られます。
ひとつは「他の人に動かしてもらう柔らかさ」、もうひとつは「自分で動かす柔らかさ」。
この2つは似ているようで、別の能力なんです。

SLR(下肢伸展挙上テスト)

あおむけで、膝を伸ばしたまま足を持ち上げてもらうテスト。
他の人に動かしてもらう(他動的な)柔らかさ を見ます。

AKET(自動膝伸展テスト)

股関節を曲げた状態から、自分の力で膝を伸ばしていくテスト。
自分で動かす(自動的な)柔らかさ を見ます。

どちらも、左右の差が小さいほど、柔軟性が戻っているサインです。

あおむけで脚を上げるSLRと膝を伸ばすAKETの2つの柔軟性テストを示したシルエット図。立川の鍼灸師が解説する肉離れ復帰の記事内画像

なぜ「感覚」だけではダメなのか

「もう痛くないから大丈夫」── これが、実は一番危ないと私は思っています!
痛みは、筋力や柔軟性より 先に消えてしまう ことがあるからです。

先行研究では、筋力はプレー復帰後もまだ低下していた という報告や、柔軟性(SLR)の回復には20〜50日かかるという報告があります。
痛みが消えても、力や柔らかさは「まだ戻りきっていない」ことがある。
その見えないギャップが、再発の入り口になります。

だからこそ、感覚ではなく数字で確かめる意味があるんです。

2024年の研究が示した「意外な事実」

ここからが本題です。
2024年の日本の研究(33例のハムストリング肉離れ)が、こんな結果を出しています。

肉離れには2つのタイプ(筋線維型・腱膜型)があるのですが、復帰までの「期間」はタイプで違いました
ところが、復帰した時点での 筋力と柔軟性は、タイプに関係なく戻っていた んです。

具体的な数字を見てみましょう。

測定項目I型(筋線維型)II型(腱膜型)
膝屈曲筋力 患健比(毎秒180度)101.193.7
膝屈曲筋力 患健比(毎秒60度)102.595.5
SLRの左右差0度5度

筋力はどちらも 健側とほぼ同じ水準 まで回復。
柔軟性の左右差もごくわずか。
統計的にも、2つのタイプの間に 有意差はありませんでした
言いかえると、「腱膜型だから筋力が戻りにくい」「筋線維型だから柔らかさが劣る」といった差は、復帰の時点では見られなかった、ということ。
タイプによる得意・不得意ではなく、きちんとリハビリを積めたか が、機能の戻りを決めていた可能性があります。

I型とII型の患健比を比べた棒グラフ。どちらも健側水準で有意差なしを示す、立川の鍼灸師が解説する損傷型と機能回復の記事内画像

「時間」は違っても「ゴールの質」は同じ

この研究が教えてくれるのは、こういうことです。
ゴールにたどり着く「時間」はタイプで違う。でも、ゴールでの「コンディション」は同じ

論文の結語にも、こうあります。

「復帰期間は損傷型により異なるが、筋力・柔軟性は損傷型に関係なく改善していた」

そしてこの研究、33例全員が再損傷なしで復帰 しています。
段階的なリハビリで、しっかり数字を確かめてから復帰したから、という考察です。

リハビリ中の方にとって、これは励みになる事実だと思います。
「自分は治りの遅いタイプかも」と落ち込む必要はない。
時間の差はあっても、段階を踏めば、機能は同じゴールまで戻せる可能性がある。
大切なのはタイプを気にすることより、数字で「戻ったか」を確かめながら進めることです。
焦る気持ちも、数字で「ここまで戻った」と分かると、少し落ち着くものです。

yellができること

鍼灸は、この復帰の道のりにどう関われるのか。
私のスタンスは、主役はあくまでリハビリと、ご自身の回復力 だということ。

その上で、こわばった筋肉を整え、血流が促されやすい身体の状態に近づけるアプローチで、リハビリが進めやすい土台をサポートする。
そして、「焦らず、数字で確かめながら」をご一緒に大切にしていく。

医師や理学療法士の方が立てた計画と並走する形で、補助的に使っていただくのが理想だと考えています!

まとめ

ここまで読んでくださってありがとうございます!

今回のポイントをまとめます。

  • 復帰の目安は ①痛みなし ②柔軟性の左右差なし ③筋力の回復 の3条件
  • 筋力は 等速性筋力測定(患健比=ケガ側÷健側)で数字にする
  • 柔軟性は SLR(他動)とAKET(自動) の2つのテストで左右差を見る
  • 痛みは先に消えるので、感覚ではなく数字で確かめる ことが再発予防につながる
  • 2024年の研究では 復帰期間はタイプで違うが、筋力・柔軟性はタイプ非依存で回復

「自分のリハビリ、ちゃんと戻っているか不安だな」と感じられたら、公式LINE からお気軽にどうぞ。
立川駅・立川南駅からアクセスしやすい場所にあります。

yell鍼灸治療院は、あなたの健康と笑顔とハッピーを超応援します!


参考文献

  • 三宅秀俊ほか「ハムストリング肉離れからのスポーツ復帰時の身体機能―損傷型による比較―」日本臨床スポーツ医学会誌 Vol.32 No.1, 2024, pp.85-90.
カテゴリスポーツ
タグ#エビデンス#スポーツ復帰#立川#肉離れ#鍼灸

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