足を浮かせるフォームと床につけるフォームを並べたベンチプレスの2フォーム対比シルエット。立川のyell鍼灸治療院がベンチプレスの足位置を解説する記事のアイキャッチ画像

ベンチプレスは足の位置で負担が変わる|浮かせるか床につけるか

スポーツ
目次
  1. ベンチプレスの足、どうしていますか?
  2. 男性20名の実験で全ての筋が動いた
  3. なぜ足を浮かせると刺激が増えるのか
  4. 腰痛持ちが知っておきたい足の位置
  5. 目的別のフォーム選択
  6. まとめ
  7. 📚 参考文献

こんにちは! yell鍼灸治療院の斉藤です!
今回は、ベンチプレスの「足の位置」について書いていきたいと思います!

ベンチプレスの足、どうしていますか?

「床にしっかり踏ん張る派」と
「股関節と膝を曲げて足を浮かせる派」

で分かれるこの選び方、「どっちが正解なのか、、」と迷ったまま続けている方も多いのではないでしょうか。

この選び方で、身体にかかる負担も、鍛わる筋の広がりも、大きく変わってくるんです!

男性20名の実験で全ての筋が動いた

2019年に「PLoS One」に掲載された論文(Muyor 2019)が、この2つのフォームを直接比較してくれています。

被験者は、若年男性20名。
60%1RM の重量で、以下の2条件のベンチプレスを試しました。
「足を床につける(一般的なフォーム)」
「股関節と膝を90度に曲げて、足を浮かせる(アクティブ・ヒップ・フレクション)」

測定した筋は、10部位。
大胸筋の上部・中部・下部、前三角筋、上腕三頭筋、前腕
腹直筋、外腹斜筋、大腿直筋

胸・肩・腕・体幹・股関節屈筋まで、上半身全体の動員を見ています。
結果は、はっきりしていました。

足を浮かせて行うと、測定した全ての筋で有意に活動が高くなった(p<0.01, d>0.5)。

10部位すべてで、統計的に「まぐれではない」レベルの差が出た、という結果なんです!

ベンチプレスの2フォーム対比:足を床につけたフォームと足を浮かせたフォームの側面比較シルエット。立川のyell鍼灸治療院がフォーム選びを解説する記事の解説画像

なぜ足を浮かせると刺激が増えるのか

なぜ、足の位置を変えただけで、こんなに広い範囲に影響が出るのか?

答えは、「身体の使い方が根本から変わる」からなんですね。

足を床につけたベンチプレスは、下半身が土台になって、上半身だけでバーを押す動きになっています。
足を浮かせるフォームだと、腰から上の全部を「宙に浮いた状態」で保ちながらバーを押していく動きになるんです。

体幹の筋である腹直筋・外腹斜筋は、身体の「軸」を作ってくれている筋なんですね。
宙に浮いた姿勢を保つ間、意識しなくても常に緊張し続ける状態になっているんです。

さらに、足を空中で90度に保つには、股関節屈筋(大腿直筋)が脚の重さを支え続けてくれています。

このとき、身体の中では、
「体幹(腹直筋・外腹斜筋)が空中の姿勢を保つ」
「股関節屈筋(大腿直筋)が脚の重さを持ち上げ続ける」
「上肢はバーを押す」
と、色々なことが同時進行してくれているんですね!

そのぶん、筋活動が全体的に上がる!
そういう仕組みなんです。

同じ重量を扱っていても、動員する筋の数と幅が違うので、身体への刺激はまったく別のものになってくるんですね。

イメージとしては、椅子に座って腕立て伏せをするのと、両足を床から離して空中で腕立て伏せをするのとの違いに近いかもしれません!
足が床についているかどうかだけで、身体全体で協力する必要性が、これほど変わってきてしまうんです。

腰痛持ちが知っておきたい足の位置

一方で、Muyor 2019 の論文には、こんな一文が添えられています。

「hip flexor(股関節屈筋)の活動による腰椎ストレスへの影響については、追加の研究が必要」

これは大切な視点だと思っていて

大腿直筋のような股関節屈筋が強く働き続けると、骨盤が前に傾きやすくなって、腰椎(腰の骨)に反りが強く入りやすくなってしまうんです。
腰に痛みを抱えている方にとっては、この状態が続くのは負担の大きい姿勢になっちゃうんですね、、

施術中にも「ベンチプレスで腰が張るようになってしまって、、」というお話は結構お聞きします。
話を聞いていくと、足を浮かせるフォームで扱う重量を伸ばしていたケースが多いんです!
論文の結果と、現場での感覚がぴったり一致してくるところなんですね。

「全ての筋を動かせる=良いフォーム」とは限らない!

なので、
「現在、腰痛を抱えている方」
「過去に腰を痛めた経験がある方」
「トレーニング初中級で、フォームの安定がまだ課題の方」
こういった方は、足を床につけたスタイルを基本にする方が、おすすめです!

足を浮かせるフォームと腰椎ストレスの流れ(股関節屈筋の緊張→骨盤前傾→腰椎の反り)を示した書類風ポスター。立川のyell鍼灸治療院・出典Muyor 2019より

目的別のフォーム選択

ここまでの内容を踏まえて、「目的別のフォーム選択」を3つに整理してみます。

スポーツで身体を作りたいなら

競技のパフォーマンスを上げたい方や、体幹と股関節屈筋も同時に鍛えたい方には、足を浮かせるフォームが1つの選択肢になってくれるかもしれません!
Muyor 2019 の実験通り、全身の筋活動が上がってくれるので、限られた時間で全身に刺激を入れられます。

ただし、フォームが崩れると腰への負担が大きくなるので、まずは軽い重量から始めましょう!

腰痛持ちなら

腰痛を抱えている方は、足を床につけたフォームを基本にするのがおすすめです!
両足で床を踏むことで、腰の反りが抑えられて、大胸筋・三頭筋に集中して刺激を入れられます。
「胸に効かせる」だけなら、こちらのフォームで十分なんですね!

迷った時の判断軸

「どっちがいいか決めきれない、、」という時は、まず床につけたフォームで基礎を作るのがおすすめです!

基礎を積んで、身体の安定感が育ってきたら、時々足を浮かせるフォームを混ぜてみる、、
無理をせず、身体の反応(張り・違和感・翌日の疲労)を見ながら進めていくのが良さそうですね!

まとめ

ここまで読んでくださってありがとうございます!

今回のまとめ

  • 足を浮かせるフォームは、上半身の全ての筋で活動が高くなる(有意水準 p<0.01・効果量 d>0.5)
  • ただし股関節屈筋の活動が腰椎への負担を増やす可能性があり、腰痛持ちには床につけるフォームが基本
  • スポーツで身体を作りたい方は足を浮かせる/腰痛持ち・初中級は床につける/迷ったら床から始める

同じベンチプレスでも、足の位置ひとつで身体への効き方は、大きく変わっていくんですね!
「一番効くフォーム」ではなく「今の自分に合うフォーム」を選ぶ視点、大切にしていきたいですね!
フォームは、そのときの身体の状態に合わせて調整していけるのがいいところなんですね。
自分の身体の状態と、目指したい方向に合わせて、フォームを選んでいきましょう!

もしトレーニング中に腰の張りや違和感が出てしまったら、身体の状態を一緒に見立てるところから、ぜひ yell鍼灸治療院にご相談ください。

yell鍼灸治療院は、あなたの健康と笑顔とハッピーを超応援します!


📚 参考文献

  • Muyor JM, Rodríguez-Ridao D, Martín-Fuentes I, Antequera-Vique JA. Evaluation and comparison of electromyographic activity in bench press with feet on the ground and active hip flexion. PLoS One. 2019;14(6):e0218209.
カテゴリスポーツ
タグ#スポーツ・運動#フォーム#ベンチプレス#立川#筋トレ#腰痛#足の位置
院長 斉藤宏之

この記事を書いた人

斉藤 宏之

鍼灸師・柔道整復師(国家資格)/2015年から臨床

立川・錦町の完全自費 鍼灸治療院。「またここに来れば大丈夫」と思える場所を目指しています。

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