
腰椎椎間板ヘルニア|飛び出した椎間板のその後
目次
こんにちは! yell鍼灸治療院の斉藤です!
今回は【腰椎椎間板ヘルニア】について書いていきたいと思います!
MRIを撮って「ヘルニアが出てますね」と言われて帰ってきた、、
この先どうなっていくのかが分からないままの方の不安が、少しでも軽くなれば嬉しいです!
椎間板の中から、何が出ているのか
線維輪と髄核でできたクッション
背骨は、短い骨が縦に積み重なってできています。
その骨と骨の間に挟まっているのが椎間板です。
椎間板の役目は2つあって、背骨をつなぐことと、クッションになることです。
歩いたり跳ねたりするたびに背骨には衝撃がかかりますが、それをここが受け止めています。
中身は2層に分かれています。
外側が線維輪で、丈夫な繊維が何重にも重なった壁。
中心が髄核で、水分を多く含んだやわらかいゼリー状のもの。
簡単に言うと、外が硬いタイヤで、中にやわらかい詰め物が入っているイメージです。
出た一部が神経にあたる
年齢を重ねると、この椎間板は変性していきます。
外側の線維輪に細かい傷が入り、やがて断裂することがあります。
そこから中身の一部が外へ押し出される。
これがヘルニアです。
ヘルニアという言葉は、本来あるべき場所から飛び出すこと全般を指します。
つまり病名というより、起きている現象そのものの名前です。
そして押し出された先には、神経が通っています。
出たものが神経にあたることで、症状が出ます。
加齢だけが原因ではありません。
腰ではなく、足に症状が出ます
太ももの裏からふくらはぎ、足先へと、しびれや痛みが走ります。
これを放散痛といいます。
腰やお尻も痛みますが、患者様が困っておられるのは、たいてい足のほうです。
足に力が入りにくくなることもあります。
つま先立ちがしにくい、階段でつまずくようになった、という形で気づく方が多いです。
もうひとつ、体が勝手に傾くことがあります。
背骨が横に曲がる状態で、疼痛性側弯と呼ばれるものです。
痛い側をかばおうとして、無意識に体が逃げている姿勢ですね。
重いものを持ち上げると痛みが強くなるのも、この状態の特徴です。

診察室で最初にやる、脚を上げる検査
整形外科でまず行われるのが、下肢伸展挙上試験というもので
仰向けに寝て、膝を伸ばしたまま、脚を持ち上げてもらう。
途中でお尻から足にかけて痛みが走れば、神経が引っ張られているサインになります。
あわせて確認するのが2つあります。
足の感覚が鈍くなっていないか。
親指を上に反らす力が落ちていないか。
そのうえでレントゲンとMRIを撮って、診断が確定します。
MRIで椎間板が膨らんでいても、症状がなければ多くの場合は問題ない、と言われることがほとんどです。
写っているものと、いま困っていることは別、ということですね。
出たヘルニアは、引っ込むことがあります
手術をしていない患者様を集めて、平均11.5ヶ月後にもう一度MRIを撮り、ヘルニアがどうなったかを調べた研究があります。
16の研究、360例分をまとめたものです。
出方によって、引っ込みやすさが違う
椎間板の出方は、4つに分けられます。
膨らんだだけのもの。
外へ突き出たもの。
壁を破って飛び出したもの。
ちぎれて完全に離れたもの。
この4つで、自然に小さくなった割合はこうでした。
膨らんだだけ 13.3%
突き出た 52.5%
飛び出した 70.4%
ちぎれて離れた 93.0%
大きく出たほうが引っ込みやすい
いちばん大きく出たものが、いちばん引っ込んでいます。
私は最初これを読んだとき、逆じゃないのかと思いました。
大きく出たほうが重症で、戻りにくいはずだと考えていたからです。
別の研究チームが11の調査をまとめた報告でも、全体の3人に2人ほどで自然に吸収されており、日本のデータでは62.58%でした。
そして、ヘルニアが小さくなった方は症状も良くなっている、という関連も確認されています。
ただ、これは手術が要らないという話ではありません。
論文が調べたかったのは、早めに手術をしたほうがよい人と、待ってよい人をどう見分けるかでした。

痛みが強い時期をどう過ごすか
とはいえ、引っ込むまで待てるかどうかは別の話です。
痛みが強い時期は、まずそこを越えることを考えます。
そんな時にまずするのが、安静とコルセットです。
そのうえで消炎鎮痛薬を飲んだり、神経ブロックという注射で痛みや炎症を抑えたりします。
痛みが軽くなってきたら、次の段階に移ります。
運動療法として腹筋の訓練をしたりです。
訓練は、背骨を支える力を戻していく段階になります。
休ませて終わりにせず、少しずつ動かせる範囲を広げていく。
ここが、ただ寝ているのとの分かれ目だと私は思っています。
安静だけが、痛みを和らげる手段ではないということです!
手術を考えるのはどんな時か
ここまでの方法を続けてもよくならない場合、手術が検討されます。
ただし、待たずに相談したほうがよいものが2つあります。
足に力が入らなくなってきた時。
尿の出が悪くなったり、逆に漏れたりする時。
このどちらかが出ていたら、経過を見る段階ではありません。
自然に引っ込むかどうかを待つ話とは、別の次元です。
逆に言えば、この2つが無ければ、まずは保存的な方法で様子をみるのが標準の流れです。

まとめ
ここまで読んでくださってありがとうございます!
- 椎間板は外側の線維輪と中心の髄核でできたクッション
- その中身が押し出されて神経にあたった状態がヘルニア
- 痛むのは腰でも、困るのは足に出るしびれや脱力のほう
- 出たヘルニアは自然に小さくなることがある
- しかも大きく出たものほど引っ込みやすい
- 足の脱力と排尿の異常だけは、待たずに相談する
診断された名前の重さと、これから起きることは、必ずしも同じではありません。
まずは痛みの峠を越えるところから始めてみてください。
一緒に前に進んでいきましょう!
腰から足にかけての痛みやしびれが続いている方は、立川駅・立川南駅から徒歩5〜8分の当院にもご相談ください。
yell鍼灸治療院は、あなたの健康と笑顔とハッピーを超応援します!
参考文献
日本整形外科学会「整形外科シリーズ2 腰椎椎間板ヘルニア」日本整形外科学会, 2009.
Rashed S, Vassiliou A, Starup-Hansen J, ほか「Systematic review and meta-analysis of predictive factors for spontaneous regression in lumbar disc herniation」Journal of Neurosurgery: Spine Vol.39 No.4, 2023, pp.471-478.
Zhong M, Liu JT, Jiang H, ほか「Incidence of Spontaneous Resorption of Lumbar Disc Herniation: A Meta-Analysis」Pain Physician Vol.20 No.1, 2017, pp.E45-E52.





