
姿勢を直せと言われても治らない|予防と治療が混ざる話
目次
こんにちは! yell鍼灸治療院の斉藤です!
今回は【肩こり対策が自分に効かない理由】について書いていきたいと思います!
姿勢に気をつけているのに、肩の重さは変わらない。
そんな方におすすめの内容になります!
正しい姿勢を教わったのに、変わらなかった
背筋を伸ばす。
画面の高さを目線に合わせる。
1時間に1回は立ち上がる。
どれも、肩こり対策としてよく紹介されるものです。
実際に教わって、しばらく続けてみた方も多いと思います。
それでも変わらなかった、という声をよく聞きます。
これはひとつ、考えられることがあります。
その研究、実は「まだ痛くない人」が対象でした
オフィスワーカーの首肩について、世界中の研究を集めて評価したレビューがあります。
15の研究、のべ2165人ぶんのデータです。
このレビューには、研究を採用するときの条件がひとつ設けられていました。
首・肩・腕に不調を訴えている人が、25%未満の職場であること。
言いかえると、まだほとんどの人が痛くない職場だけを集めた、ということになります。
集める人が違う
予防を調べる研究は、まだ症状のない人を集めます。
そして、これから何人が新しく痛くなるかを数えます。
治療を調べる研究は、すでに痛い人を集めます。
そして、その痛みがどこまで減るかを測ります。
入り口の時点で、まったく別の集団を見ているわけですね。
測るものが違う
予防の研究で出てくる数字は、発症率です。
1000人のうち、何人が新しく痛くなったか。
治療の研究で出てくる数字は、痛みの点数や動かしやすさです。
もともと痛い人が、どこまで戻ったか。
どちらも大事な数字ですが、答えている問いが違います。
すでに肩が痛い方が予防の数字を読んでも、自分に当てはまるとは限らない、ということになります。

知識を教える取り組みは、効果を確かめられなかった
このレビューでは、人間工学の研修についても検証されています。
正しい座り方や道具の使い方を教える、あの研修です。
5つの研究が集められましたが、結果ははっきりしませんでした。
防げるとも、防げないとも言えない、という判定です。
労働災害の予防プログラムについても、同じでした。
知っていることと、身体が変わることは別。
耳の痛い話ですが、数字はそう出ています。
研修を受けた直後は、たしかに姿勢を意識します。
ただ、締め切りが近づいて画面に集中したとき、その意識がどこまで残っているか。
続かないのは、意志が弱いからでしょうか。
そうではなく、意識に頼るやり方そのものが、もともと続きにくいのだと思います。
ちなみにこのレビュー、15の研究のうち質が高いと判定できたのは1つだけでした。
残りの14は人数が少なく、偏りの心配があるとされています。
「効果がない」というより「まだよく分かっていない」に近い状態ですね。
休憩を増やすことだけは、少し違った
その中で、ひとつだけ違う方向を向いた結果があります。
通常の休憩に加えて、追加の休憩を入れたグループ。
データ入力の仕事をしている方が対象でした。
ただし、これも証拠の質は非常に低いと判定されています。
「休憩を増やせば肩こりが防げます」と言い切れる材料ではありません。
それでも、お金がかからず、今日から試せることではありますね。
休憩のたびに
【腕をだらんと下ろす】
だけでも、支え続けていた筋肉には休みになります。
自分がどちらの段階にいるか、見分ける
ここまでの話を、自分に当てはめてみてください。
見分ける手がかりは、朝の状態にあります。
夜のうちに戻るかどうか。
そこが、ひとつの分かれ目になります。
まだ痛くない段階なら
夕方に少し重くなる程度で、朝には戻っている。
仕事以外の時間は気にならない。
この段階なら、環境と休憩の工夫が向いています。
予防の研究が答えているのは、まさにこの段階の話です。
机まわりを整える価値がいちばん高いのも、ここですね。
すでに痛い段階なら
朝から重い。
休みの日も抜けない。
同じ場所がいつも硬い。
この段階では、姿勢や机の工夫を続けても変化を感じにくいことがあります。
予防のアドバイスが効かないのではなく、答えている問いが違う、ということですね。
工夫が無駄なわけではありません。
ただ、それだけでは足りない段階に入っている、という見方のほうが近いと思います。

すでに固まっている首や肩は、こわばりを整えて、身体が回復しやすい状態をつくるところから始まります。
鍼灸はそこにアプローチする手段のひとつです。
まとめ
ここまで読んでくださってありがとうございます!
- よく紹介される首肩の研究は「まだ痛くない人」を集めたものが多い(不調を訴える人が25%未満の職場が対象)
- 予防の研究は発症率を、治療の研究は痛みの減り方を測る。答えている問いが違う
- 正しい座り方を教える研修は、防げるとも防げないとも言えなかった
- 追加の休憩だけは首の不快感がわずかに下がったが、証拠の質は非常に低い
- 朝から重い・休日も抜けない段階なら、環境の工夫だけでは変化を感じにくい
自分がどの段階にいるかが分かれば、打ち手も選べます。
一緒に前に進んでいきましょう!
朝から首や肩が重い日が続いている方は、立川駅・立川南駅から歩いてすぐの当院にご相談ください。
yell鍼灸治療院は、あなたの健康と笑顔とハッピーを超応援します!
参考文献
Hoe VCW ほか「Ergonomic interventions for preventing work-related musculoskeletal disorders of the upper limb and neck among office workers」Cochrane Database of Systematic Reviews, Issue 10, 2018, CD008570.





