うつぶせで施術を受ける方の背中に施術者の手が置かれている写真。そこじゃない、と思われた方へ|首と肩甲骨のつながり。立川駅・立川南駅すぐの鍼灸院yell鍼灸治療院

そこじゃない、と思われた方へ|首と肩甲骨のつながり

目次
  1. そこじゃない、と思われたことはありませんか
  2. 肩甲骨を調べた、8つの研究
  3. 痛みは、確かに減っていた
  4. その一方で、動かなかった数字がある
  5. 首と肩甲骨は、同じ筋肉でつながっている
  6. 受けるときに、見ておくとよいこと
  7. まとめ

こんにちは! yell鍼灸治療院の斉藤です!
今回は【首の痛みなのに、肩甲骨を触られる理由】について書いていきたいと思います!

首が痛いんです、と伝えたのに、触られているのは背中のあたり、、
そこじゃないんだけどな、と思った経験がある方におすすめです!

そこじゃない、と思われたことはありませんか

うつぶせになったまま、口には出せずに終わった。
そういう経験をお持ちの方は、けっこう多いです。

これには理由があります。

2024年に、肩甲骨への治療をまとめて検証した論文が出ています。
今回はその中身を、都合の良いところだけでなく、お伝えしていきます。

肩甲骨を調べた、8つの研究

313人・50歳未満・3ヶ月以上続く首の痛み

集められたのは、2016年から2023年までに発表された8つの研究です。
参加した方は、あわせて313人。
サウジアラビア、韓国、イラン、トルコで行われたものが含まれています。

対象になったのは、3ヶ月以上続いている首の痛みを持つ方。
そして、全員が50歳未満でした。

年齢に上限をつけたのには理由があります。
加齢による背骨の変化が混ざると、「肩甲骨への治療が効いたのか、もともとの状態の差なのか」が分からなくなるから

治療されたのは首ではなく、肩甲骨

ここが、この研究の変わっているところです。
参加者は首が痛くて来ているのに、行われた治療は肩甲骨に対するものでした。

具体的には、肩甲骨を安定させる運動、姿勢を整える運動、そして肩甲骨まわりを動かす徒手的な施術。
痛い場所そのものには、直接手を加えていない研究もあります。

「肩甲骨への治療 研究8件 のべ313人 50歳未満」と手書きされたノートとペンが診察机に置かれた写真|首と肩甲骨のつながり

痛みは、確かに減っていた

結果から言うと、痛みの数字は動きました。
研究ごとに、痛みの測り方は違います。
10段階で聞くもの、線に印をつけてもらうもの。
それらを共通の単位に直して足し合わせると、肩甲骨への治療を受けたグループのほうが、痛みが小さくなっていました。

数字にすると2.55。
この種の解析では、かなり大きい部類に入る値です。

ただし研究ごとの差が極端に大きい

ここで正直にお伝えしないといけないことがあります。
研究どうしの結果が、どれくらいバラバラかを表す数字があります。
0%に近いほど揃っていて、100%に近いほどバラバラ。
この解析では、96% でした。

つまり、大きく良くなった研究もあれば、ほとんど変わらなかった研究もある。
それらを平均すると2.55になった、ということです。

効いた人と、効かなかった人の差が、とても大きい。

平均の数字だけを見て「肩甲骨をやれば痛みが減る」と受け取ってしまうと、実際とはずれます。

96%と書いてあるのを見たとき、正直「これ、平均を出す意味あるのかな」と思いました。
それでも著者は、都合の悪いばらつきを隠さずにそのまま載せています。
こういう正直な論文、、、好きです!

その一方で、動かなかった数字がある

痛みが減ったのなら、生活も楽になっていそうなものです。
ところが、そうはなりませんでした。

首の不自由さの点数

首の不自由さを測る質問票があります。
物を持ち上げられるか、本を読み続けられるか、眠れているか。
そういった項目に答えてもらって、点数にするものです。

この点数は、肩甲骨への治療を受けたグループと受けなかったグループで、意味のある差がつきませんでした。
痛みの数字は動いたのに、生活の不自由さは変わっていない。
論文はこれを、中等度の確からしさがある結果として報告しています。

押した時の痛さ

もうひとつ、押した時にどれくらいで痛いと感じるかを測る検査があります。
こちらも、2つの研究のいずれでも効果は確かめられませんでした。

ホワイトボードに「減ったもの/痛みの数字」と「変わらないもの/首の不自由さ・押した痛さ」を2列で対比して書いた写真|首と肩甲骨のつながり

首と肩甲骨は、同じ筋肉でつながっている

では、なぜ首から離れた場所を触るのか。
論文の冒頭に、その根拠が書かれています。
肩甲挙筋と上部僧帽筋という筋肉は、肩甲骨と首の骨の両方にくっついています

一言でいうと、首と肩甲骨は別々の部品ではなく、同じ筋肉で吊られた地続きの場所ということです。
肩甲骨の位置が変われば、その筋肉の張り具合が変わります。
張り具合が変われば、首の骨にかかる引っぱりも変わります。

だから、痛い場所から離れたところを触る意味がある。
これがこの研究の出発点でした。

ただし、ここまで見てきたとおり、その考え方が全員に当てはまるわけではありません。
効く方と、そうでない方がいる。
というのが、正直なところです。

うつぶせで施術を受ける方の上背部に、首の付け根から肩甲骨へ日ざしが帯状に落ちている写真|首と肩甲骨のつながり

受けるときに、見ておくとよいこと

では、自分がどちらなのかを、どう見分けるか。
この研究の結果そのものが、その目安になります。

効いているかは「痛みの変化」で見る

8つの研究で動いたのは、痛みの数字でした。
肩甲骨まわりへのアプローチが自分に合っているかどうかは、まず痛みで判断できます。

施術のあと数日、いつもより首の付け根が軽い日があるか。
夕方の重さが出てくる時間が、少し遅くなっていないか。
そのあたりを見ておくと、続けるかどうかの材料になります。

首の動かしやすさは、すぐには変わらないかもしれない

研究でも、その2つは別々の動き方をしていました。
痛みと、動かしやすさは、同じ速さでは戻らない。

このことを先に知っておくと、途中でやめずに済むことがあります。

首や肩のこわばりは、痛む場所だけを追いかけても戻りにくいことがあります。
肩甲骨まわりを含めて筋肉を整えて、身体が回復しやすい土台をつくるアプローチが、鍼灸にはあります。

まとめ

ここまで読んでくださってありがとうございます!

  • 肩甲骨への治療を調べた8つの研究・313人分のデータがまとめられた(50歳未満・3ヶ月以上続く首の痛み)
  • 痛みの数字は小さくなった(共通の単位に直して2.55)
  • ただし研究ごとの差が96%と極端に大きく、効いた人と効かなかった人の幅が広い
  • 首の不自由さの点数と、押した時の痛さは変わらなかった
  • 首と肩甲骨は、肩甲挙筋と上部僧帽筋で地続きにつながっている

痛い場所と、触る場所が違う。
その理由を知っておくだけでも、施術を受けるときの受け取り方が変わってくると思います。
一緒に前に進んでいきましょう!

首や肩のつらさが続いている方は、立川駅・立川南駅から徒歩5〜8分の当院にご相談ください。

yell鍼灸治療院は、あなたの健康と笑顔とハッピーを超応援します!


参考文献

Chen Y ほか「Effects of scapular treatment on chronic neck pain: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials」BMC Musculoskeletal Disorders, Vol.25 No.252, 2024.

タグ#デスクワーク#慢性痛#立川#肩甲骨#論文解説#鍼灸#首の痛み
院長 斉藤宏之

この記事を書いた人

斉藤 宏之

鍼灸師・柔道整復師(国家資格)/2015年から臨床

立川・錦町の完全自費 鍼灸治療院。「またここに来れば大丈夫」と思える場所を目指しています。

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