窓辺の脚もとのクローズアップと「静かに進む膝の怪我/気づかれにくい半月板の根っこ」の見出し。半月板の根っこ断裂は症状が乏しく見逃されやすいことを立川の鍼灸院が解説する記事のアイキャッチ画像

膝の奥が痛いのに原因がわからない|静かに進む膝の怪我の話

目次
  1. 半月板の「根っこ」という土台
  2. なぜ、この怪我は気づかれにくいのか
  3. 起こりやすい人は、内側と外側で違う
  4. 正座やしゃがみ込みの生活が、根っこに負担を積み重ねる
  5. 静かに進む前に、気づくために
  6. まとめ
  7. 参考文献

こんにちは! yell鍼灸治療院の斉藤です!
今回は半月板の根っこの怪我について書いていきたいと思います!

膝の奥が痛むのに、検査でもはっきりした原因が見つからない。
そんなご経験のある方も、いらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、その痛みの背景にあるかもしれない半月板の根っこの断裂についてお伝えします。
※半月板がそもそもどんな部品なのかは、別の記事でも触れています。

半月板の「根っこ」という土台

半月板というと、形やクッションの働きに目が行きがちです。
けれど、その半月板を骨につなぎ止めている部分にも、大切な役目があります。

クッションを骨につなぎ止めている部分

半月板は、膝の中でただ浮いているわけではありません。
すねの骨(脛骨)に、前と後ろの二か所でしっかり固定されています。
この固定されている部分を、根っこ(付着部)と呼びます。
根っこがあるおかげで、半月板は上から体重がかかっても外へ逃げず、その場で踏ん張ることができます。

ここが切れると、半月板を失ったのとほぼ同じ状態になる

半月板は、木の樽をぐるりと締めている「たが」のような働きで、上からの力を横へ受け流しています。
根っこは、そのたがの端を留めている留め具のような存在です。
留め具が外れれば、たがはゆるみ、樽は横に広がってしまいます。

海外の医学論文(Hantouly 2024)では、根っこの断裂は、力学的には半月板を全部取り除いたのとほぼ同じと報告されています。

半月板そのものは膝の中に残っているのに、働きとしては失われている。
ここが、この怪我のむずかしいところです。

なぜ、この怪我は気づかれにくいのか

根っこの断裂は、半月板の損傷全体の**約20%**を占めると報告されています。
決して珍しい怪我ではありません。

木のテーブルに並んだ5個の石。うち2個が濃紺色、他3個が淡いベージュ色で、5人に1人の比率を表す静物写真

それでも、最初の診察では見逃されることが多いとされています。

症状が乏しく、はっきりしない

同じ論文では、根っこの断裂は症状の出方が乏しく、診断が難しいと述べられています。
とくに年齢を重ねた方では、慢性的で、はっきりしない症状として現れることが多い。
だからご本人も、そのうちおさまるだろうと様子を見てしまいます。

椅子に座り、膝のうしろあたりに軽く手を添えて違和感を確かめている場面のクローズアップ写真

こんなサインが出ることがあります

論文で挙げられている、代表的な訴えです。

  • 膝のうしろ側が痛む
  • 膝を深く曲げると痛む
  • 引っかかる感じや、膝の不安定さ

いずれも、それだけで根っこの断裂と決まるものではありません。
ただ、こうした状態が続いているなら、一度きちんと調べる価値はあります。

「原因がわからない膝の痛み」の正体かもしれない

診断が難しく、症状も控えめ。
その結果、原因がはっきりしないまま時間だけが過ぎていきます。
この怪我が気づかれにくいと言われるのは、そういう意味です。

起こりやすい人は、内側と外側で違う

同じ根っこの断裂でも、内側と外側では、起こる方の姿がまるで違います。

内側:50歳を超えた方や、座りがちな生活の方に多い

内側の根っこ断裂の**約80%**は、肥満があって座りがちな生活を送る方と、50歳を超えた方に起きていたと報告されています。
10人のうち、8人です。

大きなケガをした覚えがないのに、いつのまにか傷んでいる、、
内側の断裂は、そういう起こり方をします。

外側:若く活動的な方が、大きなケガと一緒に

一方、外側の根っこ断裂は、若い男性に多いとされています。
膝の靭帯を痛めるような大きなケガと同時に起こることが多く、前十字靭帯を損傷した直後の膝では12%、損傷したまま時間が経った膝では**18%**で、外側の根っこも一緒に傷んでいたと報告されています。
同じ名前の怪我でも、背景がここまで違います。
だからこそ、ご自身がどちらに近いのかを知っておくことに意味があります。

正座やしゃがみ込みの生活が、根っこに負担を積み重ねる

ここからは、日本で暮らす私たちにとって、他人事ではない話です。

論文が名指ししている「中東とアジアの人々」

Hantouly 2024 には、内側の根っこ断裂が起こりやすい条件が、表にまとめられています。
そこに並んでいるのは、女性、肥満、50歳以上、座りがちな生活。
そして、こう書かれています。

頻繁なしゃがみ込みと膝立ち。中東およびアジアの人々。

海外の論文が、地域と生活様式を名指しで挙げている。
つまり私たちの暮らし方そのものが、リスクとして挙げられているということです。

日本の日常に置き換えてみると

深く膝を曲げて床に座る動作は、日本の生活のあちこちにあります。
正座、あぐら、和式トイレ、床にしゃがんでの拭き掃除や草むしり、布団の上げ下ろし。
どれも、深く曲げた膝に体重が乗る姿勢です。

論文では、こうした強い力ではないけれど繰り返される負担が、加齢にともなう組織の変化と重なって、内側の根っこの断裂につながると説明されています。
一度の大きなケガではなく、日々の何気ない動作が積み重なっていく。
だから、いつ痛めたのかご本人にもわからないことが多いのです。

畳の上で正座する脚のクローズアップ。障子越しの自然光と日本家屋の落ち着いた空気の中で、深く曲がった膝に体重が乗っている場面

「正座をやめましょう」という話ではありません

ここで、正座を全部やめてください!ではありません。

大切なのは、同じ姿勢を長く続けないこと。
そして、深く曲げた膝に、ひねりを加えないことです。
立ち上がる時に、膝をひねりながら体重をかける。
この動きが、根っこにはこたえます。

静かに進む前に、気づくために

気づかずにいると、軟骨が削られていく

根っこが切れると、半月板は上からの力を横へ逃がせなくなります。
力は膝の一点に集中し、軟骨がすり減っていきます。
その先にあるのが、変形性膝関節症です。

派手な出来事は起きません。
痛みも、はっきりしないまま続くことがあります。

それでも膝の中では、確実に時間が進んでいます。

受診を考えたい目安

先ほどのサインが数週間続いているなら、一度きちんと調べてもらってください。
とくに、しゃがめないほど膝が曲げにくい場合や、引っかかりや不安定さがある場合は、早めのご相談をおすすめします。
はっきりした原因が見つからないまま様子を見る期間が、いちばんもったいない時間になります。

膝の根っこに負担をためない工夫

  • 長時間の正座やしゃがみ込みを避ける
  • 立ち上がる時に、膝をひねらない
  • 床の生活に、椅子を少し取り入れる

どれも地味ですし、そんなことかと思われるかもしれませんが
膝を長く使っていくための、確かな習慣です!

明るく清潔な室内で、椅子に座った状態から静かに立ち上がろうとしている脚もとのクローズアップ写真

yell鍼灸治療院では、膝そのものだけでなく、太ももやふくらはぎ、股関節まわりまで含めて、膝に負担が集まりにくい身体の状態を一緒に整えていきます。

まとめ

ここまで読んでくださってありがとうございます!

  • 半月板の根っこは、クッションを骨につなぎ止めている土台
  • ここが切れると、力学的には半月板を全部取り除いたのとほぼ同じ状態になる
  • 半月板損傷の約20%を占めるのに、症状が乏しく見逃されやすい
  • 内側は50歳以上・座りがちな方が約80%、外側は若く活動的な方が大きなケガと一緒に
  • 論文は正座やしゃがみ込みの生活様式をリスクとして名指ししている
  • 気づかずにいると軟骨がすり減り、変形性膝関節症へ静かに進む

原因がわからないと言われ続けた膝の痛みに、こうした背景が隠れていることがあります。
心当たりのある方は、どうか様子を見すぎないでください。

立川で膝の奥の痛みが気になる方は、いつでも yell鍼灸治療院にご相談ください。
あなたの膝が、これから先も長く動き続けるよう、一緒に支えていきます。

yell鍼灸治療院は、あなたの健康と笑顔とハッピーを超応援します!


参考文献

  • Fuchs A, et al. In-vivo assessment of meniscal movement in the knee joint during internal and external rotation under load. J Exp Orthop. 2022;9(1):102.
  • Hantouly AT, et al. Meniscus root tears: state of the art. Int Orthop. 2024;48(4):955–964.
タグ#半月板#半月板損傷#変形性膝関節症#根部断裂#立川#膝の痛み#鍼灸
院長 斉藤宏之

この記事を書いた人

斉藤 宏之

鍼灸師・柔道整復師(国家資格)/2015年から臨床

立川・錦町の完全自費 鍼灸治療院。「またここに来れば大丈夫」と思える場所を目指しています。

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