
膝をひねる時、半月板が"逃げている"|内外で逆方向の話
こんにちは! yell鍼灸治療院の斉藤です!
今回は半月板の動きについて書いていきたいと思います!
膝をひねった時に、奥のほうで何かが引っかかるような感覚があった経験ありませんか?
今回は、その膝をひねる動きの中で、半月板が実際にどう動いているのかを、できるだけわかりやすく書いていきます!
※半月板がそもそもどんな部品なのかは、別の記事でも触れています。
半月板は、実は動いている部品だった
半月板というと、膝の中でじっと衝撃を受け止めているクッション、というイメージが強いかもしれません。
でも実際は、膝の動きに合わせてスライドするように動いている部品なんです。
これまでは止まっている前提で調べられてきた
半月板の動きは、長いあいだ、亡くなった方の膝(解剖体)を使って調べられてきました。
骨と骨を人の手で動かして、半月板がどこへ移動するかを見る、という方法です。
ただ、この方法では、生きて体重がかかっている膝で本当はどう動くのか、というところまでは、なかなか分かりませんでした。
生きた膝の中の動きを、31人のMRIで実測した研究
そんな中で、2022年に発表されたある研究(Fuchs 2022)が、生きた人の膝の中で半月板がどう動くのかを、実際に測ってみせました。
参加したのは、膝にケガや手術の経験がない健康な31人。
高精度の3T MRI(強い磁力で身体の中を細かく撮影する装置)を使って、膝をひねりながら撮影する、という方法です。
しかも、撮影中の身体のわずかな揺れまで補正する仕組みを組み込んだ、とても本格的な研究です。

なぜ膝を20度だけ曲げて測るのか
この研究では、膝を20度ほど軽く曲げた状態で測っています。
「なんで20度なの?」と思われるかもしれません。
実は、膝をピンと伸ばしきると、骨の形の関係で膝はほとんどひねれなくなります(膝がロックされるイメージ)。
少しだけ曲げると、はじめて膝はひねれるようになる。
その、いちばん安定してひねれる角度が20度だった、というわけです。
膝をひねると、内側と外側は逆方向に動く
ここからが、この研究のいちばん面白いところです!
膝をひねった時、内側の半月板と外側の半月板は、それぞれ別の方向へ動きます。
しかも、内と外でちょうど逆向きに。
すねを外にひねると、内側が後ろへ大きく動く
すねを外向きにひねる動き(外旋・つま先を外に開くイメージ)をすると、内側の半月板が後ろへ、平均で約6mm動きました。
この研究で測れた中でも、いちばん大きな動きです。
そして同じこのひねりのとき、外側の半月板は逆に前のほうへ動きます。
すねを内にひねると、今度は外側が後ろへ動く
逆に、すねを内向きにひねる(内旋・つま先を内に向けるイメージ)と、今度は外側の半月板が後ろへ、平均で約4.5mm動きました。
さっきとは主役が入れ替わって、内側はその分、前のほうへ。
同じ「膝をひねる」でも、内側と外側の半月板は、まるで示し合わせたように、別々の方向へスッと逃げていく。
この逆方向が、今回いちばんお伝えしたいポイントです。

6mmって、どれくらい?
「たった6mm?」
と思うかもしれませんが、膝の中のあの小さなクッションが、ひねるたびに動いていると考えると、なかなかすごいことなんです!
半月板は、想像以上に働き者です!
なぜ内と外で、逆方向に動くの?
「じゃあ、なんでわざわざ内と外で逆に動くの?」
ここには、膝を守るための、けっこう巧妙な仕組みが隠れています。
2枚で分担して、ひねりの力を吸収している
膝をひねる時、関節の中では骨どうしがねじれて、こすれ合おうとします。
このねじれの力を、半月板が内側と外側で分担して受け止め、逃がしてくれていると考えられています。
内と外がそれぞれ逆方向へスライドすることで、骨に無理なストレスが一気に集中しないよう、力をうまく受け流しているイメージです。
動けるすきまがあるから、はさまらずに済む
もし半月板がまったく動かず、その場に固定されていたら、、
ひねった時に骨との間にはさまったり、無理な力が一点にかかったりしそうですよね。
半月板が動けるすきまを持っていること自体が、膝をなめらかに動かすための大事な条件になっている、というわけです。
スポーツや日常のひねりで活きている
バスケットボールの切り返し、テニスの踏み込み、しゃがんで後ろを振り向く動作。
日常でもスポーツでも、私たちは思っている以上に膝をひねっています。
そのたびに、内側と外側の半月板が逆方向へスライドして、ひねりの衝撃をやわらげてくれている。
膝がなめらかに動く裏側では、こんな細かい連携が起きているんですね!
動きが渋ると、膝のトラブルにつながりやすい理由
半月板が動く部品だと分かると、逆のことも見えてきます。
つまり、その動きがスムーズに出せなくなると、膝にとってはあまり良くない、ということです。
うまく逃げられないと、負担が一点に集まりやすい
半月板は、ひねりの力を逃がすために動いている部品でした。
その動きが渋ると、ひねった時に力をうまく受け流せず、特定の場所に負担が集中しやすくなると考えられます。
※今回の Fuchs 2022 は、あくまで、健康な膝が本来どう動くかを調べた研究です。
「動きが硬いことが、そのままケガに直結する」とまで示したわけではありません。
ただ、半月板が本来これだけ動く部品だと分かると、その動きを保つことの大切さが見えてきます。
動きの余白は、少しずつ変わっていく
膝まわりの柔らかさや動きの余白は、年齢を重ねたり、長く座りっぱなしの生活が続いたりする中で、少しずつ変わっていくと言われています。
半月板そのものだけでなく、まわりの筋肉や関節の動きも含めて、膝全体が硬くなっていくイメージです。
今日からできる、膝の動きの余白を保つヒント
では、膝の動きの余白を保つために、日常でできることを少しだけ。
- 急なひねりは、膝が温まってから
- 同じ姿勢を続けたら、時々ゆっくり動かす
- 膝まわりを固めすぎない
どれも地味ですし、そんなの知ってるよ、と言いたくなると思いますが
膝を長く元気に保つための、大切な習慣です!
yell鍼灸治療院でも、膝そのものだけでなく、太ももやふくらはぎ、股関節まわりまで含めて、膝が動きやすい身体の状態を一緒に整えていくお手伝いをしています。

まとめ
ここまで読んでくださってありがとうございます!
- 半月板はじっとしたクッションではなく、膝の動きに合わせてスライドする動く部品
- 2022年の研究(健康な31人・3T MRI)で、生きた膝の中の動きが実際に測られた
- 膝をひねると、内側と外側の半月板は前後で逆方向に動く(外旋で内側が後ろへ約6mm・内旋で外側が後ろへ約4.5mm)
- この逆方向のスライドが、ひねりの力を受け流して膝を守る仕組み
- だからこそ、膝の動きの余白を保つことが、膝を長く元気に使うヒントになる
半月板は、ただ受け身でクッションになっているだけでなく、膝をひねるたびに自分も動いて、力を逃がしてくれている、、!
そう考えると、膝の中の小さな部品が、なんだか健気に思えてきますね。
立川で膝の違和感が気になる方は、いつでも yell鍼灸治療院にご相談ください。
あなたの膝が、これからも軽やかに動き続けるよう、一緒に支えていきます!
yell鍼灸治療院は、あなたの健康と笑顔とハッピーを超応援します!
参考文献
- Fuchs A, et al. In-vivo assessment of meniscal movement in the knee joint during internal and external rotation under load. J Exp Orthop. 2022;9(1):102.
- Hantouly AT, et al. Meniscus root tears: state of the art. Int Orthop. 2024;48(4):955–964.





