
手術が終わって、半年経過|膝の"戻り方"の話
目次
こんにちは! yell鍼灸治療院の斉藤です!
今回は半月板の根っこ断裂の手術後のリハビリについて書いていきたいと思います!
手術は無事に終わって、しばらく経った。
それなのに、まだ日常のいろいろが元通りではない。
今回は、その術後リハビリの見通しについてお伝えします。
※半月板の根っこ断裂そのものや、5つの形については、別の記事でも触れています。
手術で行われていること
まず、根っこ断裂の手術で膝の中では何が行われているのか、短くお伝えします。
ゴールドスタンダードは"引き戻して留める"手術
簡単に言うと、すねの骨に細いトンネルを開けて外れた根っこを糸で引き戻し、骨の反対側で結んで留める方法
半月板そのものを取り除くのではなく、元あった場所に戻して固定するというのが、この手術の考え方です。

リハビリは、大きく4つの段階でできている
修復の手術を受けたあと、リハビリは論文で紹介されている4つの段階に沿って進んでいきます。
まずはその全体像を、時間の長さと一緒に見てみます。
4段階のざっくり地図
- Phase 1(0〜6週):修復を守る時期。基本的に体重をかけない
- Phase 2(6〜12週):徐々に体重をかけ、松葉杖なしで歩けるようになる時期
- Phase 3(12〜18週):動きの範囲を保ち、感覚と筋力を戻していく時期
- Phase 4(21週以降):スポーツや競技への復帰を準備する時期
こうして眺めてみると、手術のあと元の膝に近づくまでに、少なくとも半年ほどの時間軸で考えられていることが伝わるのではないでしょうか。

数字は目安、というのは大前提
一つだけ、お伝えしておきたいことがあります。
論文に書かれている週数は、あくまで目安です。
実際の期間は、根っこ断裂のタイプ、手術の方法、年齢、体格、日々のリハビリへの向き合い方など、たくさんの要素で変わってきます。
論文が示しているのは、多くの方がおおむね通っていく道の目安。
そう受け取っていただけたらと思います。
動けない、と感じる最初の6週間
多くの方が、手術のあとにいちばん戸惑うのが、この最初の6週間です。
体重をかけない、膝は伸ばしたままロック
Phase 1 は、手術で修復した根っこを守るための時期です。
論文には、少なくとも6週間は体重をかけず、膝装具は伸ばしたままロックする、と書かれています。
深く曲げると修復した根っこに強い力がかかってしまうので、その期間は無理をしない。
そうやって守るのが、この最初のフェーズです。
曲げていい角度も、最初は決まっている
とはいえ、まったく動かさないと関節が固まってしまいます。
そこで、理学療法士のもとで、受動的に0〜90度まで膝を曲げる練習が始まります。
自分の力で曲げるのではなく、療法士が手を添えて動かしていく形です。
90度より深くは曲げない、という制限も、この時期は付いています。
生活はゆっくりのペース
体重をかけずに過ごすので、日常のいろいろがゆっくりのペースになります。
お風呂、着替え、家事、通勤。
どれも今まで通りにはいきません。
「思っていたより制限が多い」と感じるのは、この時期のご本人だけでなく、ご家族にも共通するところだと思います。
少しずつ、体重を戻していく時期
Phase 2 に入ると、風景が変わってきます。
6〜12週:全体重をかけ、松葉杖から離れる
Phase 2 の目標は、全体重を膝にかけられるようになること、松葉杖なしで正常に近い歩き方ができるようになること、脚のコントロールを取り戻すことです。
療法士に手伝ってもらう"守るための曲げ"は少しずつ広げていくけれど、体重を乗せて自分で曲げる動きは、そのあとで慎重に広げていく。
そういう順番で進みます。
8週の頃には、装具や松葉杖なしで日常のことがある程度できるようになる、と論文には書かれています。
12〜18週:範囲を保ち、感覚と筋力を戻す
Phase 3 は、動きの範囲を維持しながら、固有受容感覚(自分の関節がどの位置にあるかを感じ取る力)と筋力を戻していく時期です。
スポーツや仕事に近い動作も、この頃から少しずつ入ってきます。
ただし、70度を超える深い曲げや深いスクワットは、この段階でもまだ避ける、と書かれています。
運動のあとに膝が腫れないか、慎重にみていく時期です。
21週以降:スポーツへ戻る準備の総仕上げ
Phase 4 は21週目以降、手術からおよそ5ヶ月を超えたあたりからです。
論文が挙げているのは、スポーツや業務に特化した動作、筋力、そして心肺機能をふくめた全身のフィットネスを戻していく段階です。
激しい痛みや、運動後の重い腫れが出ないかを確かめながら、少しずつ以前の生活に近づけていきます。
「もう戻れた」ではなく、「戻る準備が整った」に近い段階、と言えるかもしれません。
手術からスポーツ復帰の準備までに、およそ半年、というのが論文の描く時間軸です。
"完全復元"ではない、という現実
ここまで見てきたリハビリ4段階を終えて、膝は元通りになるのか。
そこは、正直にお伝えしておかなければいけない部分があります。
修復しても、元の運動学は"部分的にしか"戻らない
同じ論文には、根っこの修復は膝の元々の運動学を部分的にしか回復させない、と書かれています。
手術で解剖学的にきれいに戻したとしても、若い頃と完全に同じ動きに戻るわけではない。
そして、変形性膝関節症の進行を完全には防げない、とも述べられています。
読み方によっては、重く受け取られるかもしれません、、
それでも、手術には確かな価値がある
ただ、同じ論文はこうも続けています。
解剖学的に修復を受けた患者は、痛み・機能・活動レベルで明らかな改善を示した。
そして、変形性膝関節症の進行を遅らせる効果は認められている。
100点ではないけれど、放っておいた時の点数よりは、確かに高くなる。
根っこ断裂の治療は、そういう性質のものだと正直に受け止めておくと、リハビリの過程で必要以上に落ち込まずに済むかもしれません。

焦らないための、日々の目印
リハビリでいちばんつらいのは、進んでいるかどうかが自分ではわかりにくいことです。
動く角度、装具を外している時間、階段を上る時の痛み。
日々の細かな変化をノートに書き留めておくと、読み返した時に「少しずつ戻っている」ことが目に見えて分かります。
それが、長い道のりを歩き続けるための、確かな支えになります。
yell鍼灸治療院では、術後の膝そのものだけでなく、太もも、ふくらはぎ、股関節まわりの状態を含めて、戻っていく身体を支える環境づくりを、一緒に整えていきます。
まとめ
ここまで読んでくださってありがとうございます!
- 修復のゴールドスタンダードは、すねの骨にトンネルを開けて根っこを引き戻して留める手術
- リハビリは大きく4つの段階(0-6週/6-12週/12-18週/21週以降)
- 最初の6週間は、体重をかけず、伸ばしたまま守る時期
- 松葉杖なしで歩けるようになるのは、およそ8週の頃
- スポーツ復帰の準備に入るのは、およそ半年後
- 完全に元通りにはならないが、痛み・機能・活動レベルで確かな改善は得られる
長い道のりですが、一段一段にちゃんと意味があります。
今どの段階を歩いているのかが見えていると、それだけで少し楽になるものです。
立川で術後のリハビリの見通しに迷っている方は、いつでも yell鍼灸治療院にご相談ください。
あなたの膝が、これから先も長く動き続けるよう、一緒に支えていきます。
yell鍼灸治療院は、あなたの健康と笑顔とハッピーを超応援します!
参考文献
- Hantouly AT, et al. Meniscus root tears: state of the art. Int Orthop. 2024;48(4):955–964.
- Fuchs A, et al. In-vivo assessment of meniscal movement in the knee joint during internal and external rotation under load. J Exp Orthop. 2022;9(1):102.





